なぜ日本だけがグリホサートの基準値を緩和するのか

なぜ日本だけがグリホサートの基準値を緩和するのか

昨日のブログで、「郵政民営化、派遣労働の解除、種子法の廃止、種苗法の改正、輸入食料の安全基準の緩和、水道民営化、移民の受け入れ、電力自由化、LGBT法案等々、これらは悉く米国様のご意向に拠るもの」と申し上げました。

例えば「輸入食料の安全基準の緩和」というのは、農薬成分である「グリホサート」の問題です。

グリホサートとは、2015年にWHO(世界保健機関)の癌専門機関において、「ヒトに対して、おそらく発癌性がある」と分類(グループ2A)された農薬成分です。

実は、農民連食品分析センターが行った独自検査により、日本で売られている多くの食パンからグリホサートが検出されています。

一体なぜ、私たち日本人が口にしている食パンから発癌性が疑われている農薬成分(グリホサート)が検出されるのでしょうか。

言わずもがな、食パンは小麦からつくられます。

小麦は、わが国の気候条件のもとではつくることが難しいため、国内需要量の約9割を外国から輸入しています。

例えば、2017年から2021年までの5年間の平均流通量をみても、国内産小麦が85万トン、外国産小麦が482万トンです。

外国産小麦の輸入シェアは上のグラフのとおりです。

にわかに信じ難いですが、米国の農家では日本向けに輸出する「麦」にグリホサート農薬を直接散布しているようなのです。

これは、米国へ研修に行った日本の農家の方から得られた情報ですから確かでしょう。

因みに米国産のみならず、カナダ産、オーストラリア産からもグリホサートが検出されています。

こうして農薬(グリホサート)がたっぷり振りかけられた小麦から食パンが作られます。

ですが、それよりももっと酷いのは、日本政府がこの問題に対処するどころか、真逆の行動にでたことです。

2017年12月25日、なんと日本政府(自公政権)は、小麦のグリホサートの基準値を緩和したのです。

要するに、グリホサートの残留許容量が引き上げられたわけですが、残留許容値は小麦が6倍、トウモロコシが5倍、そばが150倍、ヒマワリが400倍です。

不思議にも、日本のメディアのほとんどはこれを報道しない。

この決定の裏には、米国様のご意向があったのは明らかです。

世界を見渡せば、フランス、イギリス、オランダ、デンマーク、ブラジル、スリランカ、コロンビアのように、農薬の使用を制限・禁止する動きが活発になっているにもかかわらず、日本はそれに逆行して基準値を緩めたわけです。

『除草剤ラウンドアップ、フランスで即日販売禁止に
https://www.afpbb.com/articles/-/3206613
フランス当局は15日、安全性が問われている除草剤「ラウンドアップ(Roundup)」とその関連商品の販売を禁止した。この販売禁止の決定に先駆けて、南仏リヨン(Lyon)の行政裁判所は、規制当局が安全上の懸念を考慮せずにラウンドアップの販売許可を出したとする判決を下した。フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は判決を受けた声明で、「ラウンドアッププロ360(Roundup Pro 360)」の販売は即日禁止されたと発表した。ラウンドアップには、環境保護運動家や専門家が長年発がん性を指摘しているグリホサートが含まれている。(後略)』

米国のワシントン大学の研究チームも、グリホサートを主成分とする除草剤と、免疫系のがん、非ホジキンリンパ腫のリスク増大との因果関係が認められたと発表しています。

この発表によれば、グリホサートにさらされると、ガンのリスクが41%増大するとのことです。

にもかかわらず、前述のとおり米国の農家では、小麦の収穫前にグリホサートたっぷりのラウンドアップという農薬をぶっかけ、枯らしてから収穫する「プレハーベスト」が20年ほど前から行われています。

プレハーベストは収穫時期の調整が可能になるため、確かに米国の農家としては生産性が高まります。

とはいえ、これを許せば米国産の小麦がグリホサートと共に輸出されることになります。

そんな危ない小麦を黙って輸入してくれるような、おめでたい国はそうそうない。

だからこそ、日本政府は米国様の属国としてグリホサートの安全基準を緩和したのか!…と言われても仕方ないでしょ。