きのう臨時国会が開会されました。
石破総理は衆参両院の本会議で所信表明演説を行い、国民民主党が主張する「年収103万円の壁」の引き上げにむけて来年度税制改正で見直すことを表明しました。
これで一旦は「国民民主党の勝利」と言っていいのかもしれませんが、財務省にとってはこれほどの屈辱はないでしょう。
緊縮財政(財政収支の縮小均衡=歳出削減=増税)を絶対的な省是としている彼らです。
屈辱とともに、大いなる危機感を抱いているにちがいない。
ご承知のとおり、国民民主党は「103万円の壁」問題のみならず、「ガソリン税減税」や「消費税減税」などの減税をも主張しています。
だからこそ財務省は、来年の選挙に向け、いかに国民民主党を潰すか躍起になっているはずです。
そして彼らは、いつものとおり様々な「プロパガンダ」や「政治工作」を行ってきます。
いや既に、財務省と減税を主張する政治家及びそれを指示する国民との間で「戦争」がはじまっていると言っていい。
国民民主党をはじめ積極財政派は、果たしてこの戦争に勝てるのでしょうか。
なにしろ、政界やメディアに対する財務省支配というのは半端ではありません。
基本的に財務省に抗う政治家は潰されます。
政界では、それが1990年代以降の常識となっています。
この常識に従えば、今後の展開も想像に難くありません。
まずは、減税を訴える政治家をメディアを使って潰しにかかります。
例えば、憲政史上最長の在任期間で国民からの人気も抜群だった安倍元総理でさえ、「私は財務省に潰された」と発言されています。
実は安倍元総理も積極財政の必要性を理解されていたそうです。
安倍さんが総理のときに消費税増税を2回延期したのは、そうした理解があってのことだったようです。
ところが、その結果どうなったでしょうか。
なるほど、モリカケ問題です。
安倍さんは「モリカケ問題をリークしたのは財務官僚だ」と仰っていたそうです。
要するに、こうしたスキャンダルさえも利用して時の政権を潰しにかかる。
それが財務省です。
さらに財務省は政治家を「緊縮財政脳」に洗脳しにかかります。
例えば、立憲民主党代表の野田元総理は洗脳された政治家の一人です。
そもそも民主党政権が誕生した当時、民主党は「4年間は消費税の議論もしない」としていました。
やがて菅直人内閣で財務大臣となる野田さんも、当初は「シロアリを退治する」、つまり「政府の支出を削って増税はしない」と言っていました。
それが財務大臣になった途端に「消費税増税が必要だ」と変貌したのです。
その時間(洗脳期間)、わずか3ヶ月。
消費税増税路線が野田内閣の時代に決定されたのは、周知のとおりです。
財務省が苦境に立たされている今、そんな野田さんが野党第一党の代表をしていることは財務省にとってはある種の希望なのかもしれません。
もう一つ、財務省が仕掛ける政治工作で最大の脅威となるのは、国民へのプロパガンダです。
既に、国民民主党が主張する「103万円の壁の引き上げ」を潰すために、ものすごいパワーでプロパガンダを展開しています。
ここのところメディアで「これを行うと富裕層が得をするだけ」「自治体が財源不足に陥る」などの報道が成されているのは周知のとおりです。
国民が騙されるのは仕方ないにしても、愚かにも国会議員のほか、自治体の首長や地方議員までもがそれに乗っかっている有り様です。
きのうも案の定、川崎市議会の「日本維新の会」が財務省のプロパガンダに乗っかって「103万の壁」を引き上げた場合の財源措置をもちだし、私たち無所属議員が提案する「意見書案(早急に103万円の壁を引き上げることを国に求める意見書案)」には賛同できないとして対案を提示してきました。
(ちなみに、この段階で対案を提示してくるのは議会のルール無視です)
ここでは武士の情でそれを公開することは致しませんが、実に酷い内容です。
どうやら日本維新の会は「地方交付税交付金」という制度が在ることを知らないようです。
控除額の引き上げによって自治体の歳入(基準財政収入額)が減った場合には、その分、地方交付税交付金が交付される仕組みになっています。
ゆえに「103万円の壁」の引き上げにより、地方自治体が財源不足に陥ることはありません。
これって常識なんですけど…
しかも日本維新の会は「税の公平性」が何ちゃら、「制度設計」が何ちゃらとか書いているのですが、「103万円の壁」問題は単に減税するのかしないのかの問題であって、税の公平性や制度設計の話ではありません。
制度は既にあるんです…
なお、日本維新の会の文案には「慎重に議論し、早急に実現せよ…」とあるのですが、もはやここまでくると日本語として成立していない。
しかも、これを提示してきた日本維新の会の団長は「この意見書案を正式に提出するかどうかは未だわからない」と言う。
「・・・」
お願いだから、提出するかどうかわからないものを提示してこないでほしい。