きのう、なるせゆうせいさんが脚本・演出を手掛ける舞台作品『のうぜい合戦』を鑑賞しました。
東京、大阪、愛知につづき、きのうから神奈川(川崎)での公演がはじまっています。
この作品は、「ふるさと納税」という欠陥政策をわかりやすく描いた痛快なブラック・コメディです。
わかりやすいと言っても、「地方交付税交付金が…」とか、「国の通貨発行権が…」とか、使われる言葉はどうしても行政用語ですので、役者さんたちにとってはセリフを覚えるのに一苦労されたのではないでしょうか。
ちなみに、主役の小出恵介さんが川崎ご出身であったこともはじめて知りました。
市長役の服部ひろとしさんの「身を切る改革を主張している政治家は詐欺師だ」というセリフには会場中が苦笑していました。
90年代から進められてきた「身を切る改革」、すなわち構造改革(歳出カット、民営化、自由化、規制緩和)は、日本経済はもちろんのこと、とくに地方経済を著しく衰退させました。
ふるさと納税制度は、こうして衰退してきた地方同士で今度は「税の奪い合い」をさせる過酷な制度でもあります。
だから舞台の題名が「のうぜい合戦」なのですが、劇のなかではMMT(現代貨幣理論)についても少し触れていました。
「政府は国債を通じて通貨を発行している。だから国債発行残高が増えても問題はないんだ」というように。
あれ以上、MMTを掘り下げてしまうと、あまりにも内容的に小難しくなってしまったでしょうから、触れる程度に留めたところになるせ監督のセンスの良さを感じました。
神奈川(川崎)公演は11月26日まで行われます。
会場は、ラゾーナ川崎内にある「川崎プラザソル」です。
席にはまだ若干の余裕があるように聞いておりますので、ご興味あるかたはぜひご鑑賞ください。
さて、国政では、国民民主党が主張する「年収103万円の壁」の引き上げ、及びガソリン減税の検討などを明記した総合経済対策について、自民党と公明党が合意しました。
これにより、今日にも石破内閣は「経済対策」を閣議決定し、11月28日召集の臨時国会で2024年度補正予算案を提出します。
当然、国民民主党が賛成することから、補正予算案は速やかに国会を通過する見通しです。
具体的な引き上げの幅や、暫定税率の廃止を含めたガソリン税の見直し方法などについては、年末の税制改正に向けて改めて協議されることになります。
それにつけても、総務相の口車に乗って「103万円の壁が引き上げられると、地方税収が落ち込んでしまう〜」と言って批判していた自治体首長らは赤っ恥です。
地方自治体の税収減を前提にした「103万円の壁」引き上げなどあろうはずがありません。
財源は国債発行でいいのですから。
今からでも遅くはない。
赤っ恥首長たちは『のうぜい合戦』を観て、少しは勉強したほうがいい。