今や携帯電話などのモバイル端末なしでは、仕事も生活も成り立たないという人は多いかと思います。
とりわけ、スマートフォン(以下、スマホ)の普及率は高く、上のグラフのとおり日本国内のスマホ普及率は鰻登りで上昇してきました。
中でも、iPhoneの人気は高い。
一年前に行われたIDCの調査によれば、日本国内のスマホ出荷台数シェアでは約50%がApple社の端末=iPhoneとのことでした。
ちなみにMMD研究所の調査においても、日本国内のモバイルOSのシェアはApple社の「iOS」が50%を占めているという。
ざっくり言えば、スマホユーザーの2人に1人はiPhoneということです。
確かに私の周りの人たちが使っているスマホを見ても、圧倒的にiPhoneが多い。
さて、この大人気の「iPhone」ですが、誰によって作られたかをご存知でしょうか?
おそらくは多くの方々がApple社の共同創業者の一人である「スティーブ・ジョブズ」と答えるに違いない。
実は、iPhoneを作ったのはジョブズでもApple社でもありません。
というより、iPhoneに使われている主要な技術の中でApple社が開発したオリジナルな技術は一つもない。
確かに最終的なデザインにまとめたのはジョブズでありApple社かもしれませんが、iPhoneの中で使われているコアな技術は少なくともジョブズやApple社が開発したものではありません。
では、いったい誰がiPhoneの基となるコア技術を開発したのでしょうか。
もったいぶらず結論から言いますが、こうしたコア技術の開発を可能にしたのは、政府による長期的な計画と大規模な投資です。
すなわち、米国政府です。
例えば、アポロ計画という米国政府による長期的計画と大規模投資が、現在でも使われている大量の技術を生み出したのはよく知られているところです。
米国政府がアポロ計画に投じた額は、なんと約13兆3000万円です。
当時においても「過去100年間で最もリスクの高い投資だ」という批判が高まりましたが、米国政府がビジョンを掲げ、公約通りに資金を投入したからこそ、あれだけの技術が生み出されたのです。
そもそもコンピューターそのものが、月に向けて発射するロケットの弾道計算のために開発されたものです。
インターネットもまた国防高等研究計画局(DARPA)の援助や国立科学財団の力によって誕生したのは有名な話です。
それらは、冷戦時代にソ連からの核攻撃の脅威に備えるために生まれた技術です。
同様に、iPhoneを使うのに欠かせない技術もまた、米国政府主導で作られたのでございます。
例えば、私たちが地図アプリ等で利用しているGPSも米国国防総省が主導して開発したものですし、Siriも国防高等研究計画局(DARPA)が関わっています。
Siriは、米海軍で使うAI秘書システムの開発過程で生まれたものです。
このように、あらゆる技術が軍事利用、及び国防を念頭にした「巨額な財政支出」によって開発されたものなのです。
それらの技術を組み合わせて、あのようなデザインに仕上げたのがジョブズです。
要するに莫大な国家予算がなければ、iPhoneは生まれていないのです。
自民党総裁選の際、小泉進次郎氏が次のように発言していたのをご存知でしょうか。
「この30年間、日本から世界で勝負する企業が出ないのも、既存企業が既得権益を守るため、新規参入を阻もうとしているから。この現状を打破するには、聖域なき改革が不可欠です。その象徴がライドシェアです。」と…
この御仁、まったくわかっていません。