人の職業、家柄、民族、財力の違いに貴賤はないが、生き方の違いには貴賤がある。
これまで「日本は借金大国だから、これ以上の国債増発は金利を上昇させることになり日本は破綻するぅ〜」と言って、緊縮財政(歳出削減)及び消費税増税の必要性を訴えてきた経済学者や評論家は多い。
だが彼らは、コロナ対策で国債を増発した2020年度(新規国債発行額=120.7兆円)においてもなお金利(10年国債利回り)はゼロ%のままだった現実を無視しとぼけ続けています。
恐ろしいことに経済学者の多くが、①国債発行は金利に影響を与えないこと、②主権通貨国の政府が自らの債務で破綻することはない、という真実を知らない。
それまでの考えが間違っていたのなら速やかに訂正すればいいものを、彼らは君子じゃないからそれができない。
「君子、豹変す」の正しい解釈は「君子でなければ豹変できない」です。
中には、土居丈朗(慶応大学の経済学者)のように、バツが悪くなって過去に呟いた自身のツイッターをこっそりと消去していた人間として実にせこい御仁もいた。
一方、コロナワクチンの問題では、まちがった豹変をする学者が少なくない。
それまでワクチン接種そのものに否定的だった学者が、海外のでの成功事例をみて急にワクチン推進派に転じ、今度は「日本政府のワクチン対応が遅い」といって批判しはじめている人までいます。
きのうのブログでも申し上げましたが、ワクチンの承認と接種を可能にする法律案(予防接種法改正案)の成立過程を知るべきです。
当該法案が衆議院で可決成立したのは令和2年11月19日、参議院で可決成立したのは令和2年12月2日ですが、衆参で可決した際に次にような「附帯決議」がついています。
「新型コロナワクチンの承認審査に当たっては、その使用実績が乏しく、安全性及び有効性等についての情報量に制約があることから、国内外の治験結果等を踏まえ、慎重に行うこと」
結果、諸外国が他人種国家である米国の治験を基に早々にワクチン承認していたなか、日本だけが改めて日本人を対象にした治験を行うに至り、接種の開始が諸外国に比べ4ヶ月も遅れたのです。
今まさにそのツケがまわってきているわけです。
では、推進転向組に訊くが、あなた方はこの附帯決議が全会一致で可決されたときに異を唱えたのか?
免疫学の第一人者と言われているらしい宮坂昌之(大阪大名誉教授)に至ってはもっと残念だ。
この御仁、前述の衆院(厚労委員会)での法案審議の際には、参考人としてワクチンに否定的な立場で出席した学者です。
おそらくは、こうした手合の影響により前述の附帯決議に至ってしまったのでしょう。
その証拠に、委員会では「有効性がかなり高いのは間違いないが、安全性は全く担保されていない」と述べ、昨年11月の毎日新聞の取材に対しても「このワクチンが使えるようになっても、当面は私は打たない」と言っていました。
ところが、今となって「約2億人がワクチンを打ち、既存のワクチン以上の副反応がない中では、私は意見を大きく変えて確実に2回打つ」と言ってのけます。(出典:毎日新聞)
要するに「海外での先行事例をみて、日本人への安全が確認されてから承認すべきだ」と言っていたわけですが、海外でのワクチン接種の効果をみて、今度は「俺にもワクチンをよこせ」と言う。
それではまるで世界の2億人の接種者はお前のモルモットではないか。
自分のせいで欧米各国に比べ4ヶ月もワクチン接種が遅れてしまったという反省もないのか。
他人様(諸外国の人々)をモルモットにみたて、それをみてからワクチンを接種するなどという姿勢が世界から尊敬されるはずがない。
学者である前に、日本国民として恥ずべきことだと思います。