総理の解散権

総理の解散権

本日、川崎市議会では決算審査特別委員会の総括質疑が本会議場で開催されます。

各会派の質疑ののち、無所属の議員にも質疑の時間が与えられており、私は一番最後に質問に立ちます。

質疑では、川崎市における福祉行政の闇に切り込む所存です。

概ね17時半ごろの出番となる予定ですので、傍聴に来られない皆様におかれましては、ぜひネット中継でご覧いただければと思います。

さて、首相就任前の石破さんが衆院解散について言及したことを受け、野党らが「憲法違反の疑いがある」として噛みついています。

とりわけ、立憲民主党の野田新代表は「異例で済む話ではない。解散総選挙に関わることで憲法違反の疑いがあっていいのか」などと批判しています。

野党らの言い分は、要するに以下①②③のとおりです。

①国会の解散は、内閣の助言と承認を受けた天皇の国事行為と定めている(憲法7条・69条)

②天皇は国政に関する権能を有せず事実上は首相が判断するため、解散権は首相の専権事項である

③なのに石破氏は、総理に就任する前にそれに言及したから憲法違反である

なるほど、一見ごもっともらしい。

しかしながら、私には全くもって意味不明です。

解散権の根拠については、確かに7条説や69条説など様々あります。

ちなみに、敗戦国日本では今なお占領憲法(現行憲法)は帝国憲法の改正法であるらしいのですが、帝国憲法下の衆議院解散権もまた天皇大権に属していました。(帝国憲法第7条)

しかもそれは国務大臣の輔弼(第55条第1項)に基づいてその権限が行使される、となっていました。

すなわち、実質的な解散権は内閣に帰属し、内閣総理大臣の専権事項であるとして運用されてきたので、実は今と何ら変わりはありません。

解散権は「総理の専権事項」であっても、総理に解散を求めることは誰でも政治的主張として行うことができます。

現にこれまでも野党だって、総理の政治責任を追及して「衆議院を解散せよ!」と常に要求してきたではありませんか。

総理以外の者が衆院解散に言及することが憲法違反にあたるのであれば、衆院解散を要求した野党もまた憲法違反にあたることになります。

総理以外の者が、政治的主張として「解散」を論議することは当然のことです。

ゆえに、石破氏が総理に指名されることが確実となった状況で「いつ解散する予定である」と言及することが、どうして憲法違反にあたるのか理解に苦しみます。

国政を預かる国会という場においては、少しでも本質を突いた議論をしてほしい。

現在の我が国の与野党対立を見ておりますと、結局は敗戦利得者たちによる犬も食わぬ内輪揉めに過ぎない。