処方される薬の3割は降圧薬

処方される薬の3割は降圧薬

人間の体の中身は、骨と筋肉を除くと約80%は血管が占めているという。

厚労省が発表する死亡原因の上位には脳卒中や心臓疾患などの病気が挙げられていますが、考えてみればどちらも血管の病気です。

例えば、血管は老化等で硬くなってしまうと破れたり血液が詰まったりしますが、脳卒中は血管が破れた結果でしょうし、心筋梗塞は血液が詰った結果です。

そもそも、37兆個の体内細胞に酸素と栄養を常に送り続けてくれる血液(血管)があるからこそ私たちは生きているわけですから、血管ほど重要な臓器はないと思います。

なので、いつまでも健康状態を維持したければ、血管が硬くならないよう丈夫にする必要があります。

よく言われているように、血管を硬くする原因の一つが高血圧です。

小学館の『日本大百科全書』(2001年版)で血圧の項をみますと、次のように書いてあります。

「だいたい年齢に90を加えた値が最高、その三分の二が最低血圧のそれぞれの正常平均値に近いといわれている」

ということは、例えば40歳であれば、最高血圧が130(40+90)、最低血圧が約87(130の三分の二)の状態が概ね正常平均値である、ということになります。

この基準は1960年代の内科診断学に基づくものですが、実は1999年にWHO(世界保健機構)が「年齢を問わず、上を140、下を90が妥当だ」と言い出したところ、2000年には日本血圧学会も「それでOK」ということになりました。

これ以降、年齢、性別、体格に関わらず全てにおいて、とにもかくにも「140という基準値を超えたら高血圧」となったわけです。

しかしながら、これは素人目にみてもおかしいと思わざるを得ない。

動物のキリンは、首が長く心臓から脳までの距離が遠いがゆえに血圧は「260」もあります。

なので、人間だって少なくとも体格や年齢によって血圧の基準値は変わるはずです。

ましてや、年齢とともに血管は老化していくのですから、90歳のご老人と20歳の若者の平均血圧が同じ値であるわけがない。

調べてみますと、2011年の段階で高血圧と診断された人は906万人でしたが、毎年14万人ずつ増えて、現在では4,500万人まで膨れ上がっています。

一方、年齢別に血圧と死亡率の関係性を調べた研究によりますと、160を超えたぐらいから死亡率は徐々に高まり、180を超えると飛躍的に高まるとのことです。

また、上の血圧が160未満、すなわち140〜159の人たちは、なんと年齢や性別を問わず死亡率は変わらないという。

しかもこの研究によって、上の血圧を一気に40以上も下げてしまうと非常に危険であることが判明したらしい。

「もしも降圧薬を飲んだ後に目まいや立ちくらみを起こした人がいたとすれば、それは血圧下げ過ぎのサインだ」と警鐘を鳴らす薬剤師もおられます。

現在、我が国において処方されている全ての薬剤の中でも、最も多く処方されているのがこの降圧薬です。

その比率は、なんと全体の約3割を占めます。

この状況から推測するに、おそらくは血圧が140を超えたら自動的に降圧薬が処方されているケースが多いのではないでしょうか。

まずは血圧を上げている原因を確認すべきで、もしもその原因が「運動不足」にあるのであれば、医師は患者に運動を推奨すべきであって、安易に降圧薬を処方すべきではないと考えます。

所詮は素人の見解かもしれませんが、皆様はいかがお考えでしょうか。