現在、慢性腎臓病(CKD)患者数は1,330万人に及んでいます。
因みに東京都の人口が約1,400万人ですので、1,330万という数字を多いとみるか、少ないとみるか、よくお解り頂けるものと存じます。
すなわち、我が国では国民の8人に一人がCKDに罹患しています。
言わでもがな、腎臓は解毒装置でもあり排毒装置でもありつつ、体に栄養源を運ぶ血液や水をもコントロールしている極めて重要な臓器です。
この臓器には、心臓から送られた血液の20%から25%の血液が流れ込んでいることから、いかに大きな役割を担っているかが私のような素人にも解ります。
それにつけても、人間の体というのはすごい。
人間の体には37兆個もの細胞があるらしいのですが、これらの細胞には常に栄養や酸素が送られ、代謝が繰り返されています。
代謝をすれば老廃物と二酸化炭素といったゴミがでます。
それら血液中に溜まったゴミを濾過し、排出してくれているのが腎臓です。
そのほか腎臓は、電解質を調整したり、血圧を調整したり、赤血球の数をコントロールしたり、血液をアルカリ性に保ったりと、その役割は実にレパートリーに富んでいます。
それだけに、腎臓の機能が低下すると他の臓器に与える影響も大きい。
とりわけ腎臓は、臓器間ネットワークの中心にあるという。
臓器と臓器の関係のことを「臓器連関」と呼ぶらしい。
例えば心臓と腎臓でいうと心腎連関、肝臓と腎臓でいうと肝腎連関というように。
なるほど、腎臓が悪くなると水分量の調節ができなくなるため、溢れた水分の負担を受ける心臓も一緒に悪化しますし、腎臓の毒素解毒機能が低下すれば、そのしわ寄せで今度は肝臓にも負担が重くのしかかります。
致命的なのは、肝臓など臓器は再生能力が強いものの、残念ながら腎臓は一度毀損されると再生しないことです。
腎臓の機能低下を止められなければ、やがては腎不全となり腎代替療法(透析)を行うか、あるいは人の腎臓をもらって腎移植するしかなくなります。
私も平素から腎臓を痛めつける食生活をしていますので、実に不安です。
因みに川崎市北部(多摩区、麻生区、宮前区、高津区)には、透析可能な病床をもつ医療機関は2病院しかありません。
現在、国内では年間3万人もの人々が新たにCKDに罹患していますが、日本腎臓病協会と協和キリンがCKDの疾患認知に関するアンケート調査を実施したところ、CKDを「知っている」と回答したのは全体の45%でした。
年代別にみますと、70代では72%が認知しているものの、若年層(20~40代)の認知度は3割程度だったという。
国や自治体の医療政策としても、CKDに至らないための国民的啓蒙が必要だと思います。