トランプ前大統領が東部ペンシルベニア州で演説中に銃撃を受けました。
銃弾はかすかに顔を掠め右耳に怪我を負ったようですが、それでもトランプ氏は当初の予定を変更することなく党大会に出席するという。
事件翌日の14日も、さっそく開催地であるミルウォーキーに入っています。
病弱な印象をもたれるバイデン大統領との差別化をはかる絶好の機会だと捉えているのでしょう。
それにつけても、あと僅か2〜3センチでも銃弾がそれていれば即死だったでしょうから、まるで金ヶ崎の退き口で杉谷善住坊に火縄銃で狙撃されつつも運良く逃げ切った織田信長のような運の強さを持っておられるようです。
さて、テレビや新聞を情報源とする日本国民のほとんどは、なぜトランプ氏があそこまで人気を得ているのかを全くもって理解できていないようです。
トランプ人気を支えているものをひとことで言えば、彼は米国民のためにグローバリズムと戦っているからです。
グローバリズムとは、これもざっくり言えば「国境を否定するユートピアニズム」です。
国境を否定するユートピアニズムは、先進国の中間所得層をことごとく破壊しました。
そのため、多くの先進国では格差拡大と国民経済の相対的貧困化が進んだのです。
そのことは、我が日本国でも同じです。
ところが、日本では日本国民のためにグローバリズムと戦ってくれる大物政治家がいないことから、日本国民の多くがどうしてもトランプ人気を理解することができないのかもしれません。
ただでさえ移民大国の米国は、グローバリズムによって超移民大国になってしまいました。
フーバー研究所の西鋭夫先生によれば、いま米国には1,200万人から1,300万人もの不法移民がいると推定されています。
ご承知のとおり、現在のバイデン政権もそうですが、オバマ政権のときから民主党政権は移民に対して寛容な態度をとってきました。
バイデン政権になってからのたった3年間で、なんと新たに約1,200万人もの移民を受け入れたという。
一方、トランプ氏は移民に対して強い姿勢を示しています。
むろん、その理由は犯罪の温床や税金の負担が大きいからです。
トランプ氏が言う「アメリカファースト」とは、移民よりも、まずアメリカ国内で真面目に働き、税金を払ってきた人たちに報いることです。
すなわち、米国民をもう一度、必ず就職先があって、給料も高くて、家も買えて、好きなものを食べることができて、というように昔のように裕福な国民にして強い米国を作り直そう、ということです。
それが氏の言う、「Make America great again」です。
といって、トランプ氏が再び大統領になることが日本の国益に適うわけではありません。
国内優先政策が強化され内向き思考となる米国トランプ政権は、日本に対して益々もって利己的な要求を突きつけてくることになります。
ゆえに我が国にも、グローバリズムと戦いつつ、内向き利己的な米国とも堂々と渡り合えるリーダーが求められます。
因みに、マスメディアは移民受け入れに反対する者を「極右」と呼んでいますが、であるならば、移民受け入れに賛成する者を「極左」と呼ぶべきです。