アヘン抜きでは語れぬ日本の近代史

アヘン抜きでは語れぬ日本の近代史

去る6月30日、安倍晋三元総理の三回忌法要が都内で営まれました。

ご親族のほか、岸田総理、菅前総理、森元総理など自民党のお歴々が参列されましたが、参列後に岸田総理がXに寄せた「志のバトン云々」のコメントが批判を浴びているようです。

「安倍元総理の志のバトンを引き継いでいたらこんな日本にはなっていないはずだ…」と。

安倍元総理を信奉されている人々にとっては、「笑わせるな…」といったところなのでしょう。

さて、我が国において総理大臣をもっとも輩出した都道府県はどこかご存知でしょうか?

答えは、山口県です。

伊藤博文、山縣有朋、桂太郎、寺内正毅、田中義一、岸信介、佐藤栄作、安倍晋三、合計8名の総理がいます。(敬称略)

これは単なる偶然ではありません。

明治以降、政府内における長州藩の藩閥としての影響力が強かったことの顕れです。

とりわけ、我が国が大東亜戦争に負けた後、岸信介が総理大臣になれたのは、米国(CIA)からの援助があったからだと思われます。

また、岸信介が総理大臣になるための資金源は、おそらくは満洲国の阿片利権で相当に溜め込んだ秘密資金だったと思われます。

A級戦犯で巣鴨プリズンに入っていた男が釈放後わずか数年で総理大臣にまで伸し上がることができたのは、米国様の後押しがあったからこそです。

阿片利権で溜め込んだ秘密資金を岸と米国とで山分けした可能性が高い。

よく岸信介のことを「CIAのエイジェントだった」と言う人がいますが、エイジェントではなく、おそらくは「協力者」だったと拝察します。

むろん、阿片利権を手にしていたのは岸信介だけではなく、長州(山口県)閥たちの政治資金になっていたようです。

大陸でアヘン売買に従事していたのは里見甫(さとみ はじめ)ですが、彼は東京裁判で裁かれることなく、戦後日本で長く生きながらえました。

里見甫と岸信介が水面下で繋がっていたことはまちがいありません。

岸信介が国会議員に立候補した際、ポンと500万円を資金提供したのが里見で、当時の500万円といえば、現在の貨幣価値にすると7億5千万円くらいです。

96歳で死去した里見の墓は千葉県市川市の總寧寺にありますが、その墓石に「里見家の墓」と揮毫したのが岸信介です。

日本の近代史は、実は阿片抜きにしては語れないのでございます。