本日は6月29日。
明治2年の今日、東京九段において幕末・戊辰の役において国事に殉難した人たちをお祀りする招魂祭が斎行されました。
このお社を当時は「東京招魂社」と呼んでいましたが、明治12年には「靖國神社」と名称が変更されます。
ゆえに今日は、靖國神社では「御創立記念日祭」が営まれることでしょう。
さて、一昨日の6月27日、内閣府から『月例経済報告』が発表されています。
気になる景気判断ですが、毎度お馴染みで「景気は、このところ足踏みもみられるが、緩やかに回復している…」のだそうです。
もはや『月例経済報告』では、ほぼテンプレート化しつつあるフレーズですね。
依然として深刻なデフレ状況にあり実質賃金が下がり続ける一方、光熱費や食料費が値上がりしているなか、「緩やかな回復…」を実感しているヒトはいったい何人おられるのでしょうか。
実に不可解です。
また、今回の『月齢経済報告』の参考資料のなかには、上のようなグラフ(潜在成長率の国際比較)が掲載されていました。
ご覧のとおり、我が国の潜在成長率が最も低いことを示すグラフなわけですが、どうして政府がこのグラフを強調したいのかお解りでしょうか?
むろん、「潜在成長率が低いんだから、総需要を埋めるための財政支出は必要ないでしょ…」と言いたいわけです。
繰り返しますが、我が国の潜在成長率が低く算定されてしまうのは、需給ギャップ(GDPギャップ)の計算時に「平均概念」が使われているからです。
改めて解説します。
内閣府は、受給ギャップを計算する際、「潜在GDP」を「経済の過去のトレンドからみて平均的な水準で生産要素を投入した時に実現可能なGDP」と定義して計算します。
なので、デフレの影響により実際に経済成長率(実際の生産の変動率)が抑制されると、潜在GDPは当然のことながら果てしなく下がり続けていくわけです。
何度でも言います。
平均概念を使った統計方法では、正しいデフレギャップ及び潜在成長率を算定することはできません。
というか、そもそもデフレギャップがプラス化すること自体が物理的にありえないのでございます。
考えてみて下さい。
需給ギャップのプラス(=インフレギャップ)とは、「総需要>供給能力」という状態ですので、この世に生産されないものが買われていることになってしまうのでございます。
現在の内閣はもちろん、小泉内閣以降の歴代内閣は、この種の統計のインチキで需給ギャップをプラス化し、「景気は緩やかに回復している!」とか、「もはや日本はデフレではない!」とか言い続けているわけです。
インチキ統計で国民を誤魔化しにかかる内閣は、一刻もはやく倒さなければならない。
倒幕の志士たちの精神を見習って…