いまや米国は、南北戦争以来の分断と内戦の危機にあると言われています。
それを見越してのことか、米国の富裕層は逃亡先として米本土から離れた土地に隠れ屋(シェルター)を建てているという。
MetaのCEOマーク・ザッカーバーグもその一人で、彼はハワイの最も小さい島であるカウアイに地下シェルター完備の巨大施設を建造中だとか。
Microsoftのビル・ゲイツも軽井沢にシェルター付きの施設を建造していると噂されています。
金持ちはいつでもどこでも逃げることができますが、圧倒的多数の金持ちでない人たちは逃げることができません。
だからこそ、国の政治を誤ることがあってはならないのです。
なぜ、米国は分断と内戦の危機に見舞われることになったのか。
その理由は、行き過ぎたネオリベラリズム(グローバリズム)と移民受け入れとしか言いようがない。
ネオリベラリズムは、その経済メカニズムから国民同士が支え合う様々な共同体を破壊し、貧富の差を拡大します。
とりわけ、株主利益を最大化するため正規社員の比率は下げられ、増え続ける移民に職や所得を奪われる米国民が増えていきました。
2016年、前回の大統領選挙でトランプ氏が大統領に当選した背景には、行き過ぎたネオリベラリズムによって職を失った多くの米国民の不満があったのです。
当選したときトランプ氏が「保護主義は国を強くする」と言ったのは、ネオリベラリズムという自由放任の経済からの脱却を強調したかったからでしょう。
その後、2020年に大統領選挙に勝利したバイデン氏はネオリベラリズムの見直しを進めたものの、移民の受け入れは拡大しました。
受け入れの仕方はこうです。
まず、メキシコとの国境から米国に不法移民が入国します。
そして管理局が名前、出身国、入国目的を聞くだけで入国可となります。
信じ難いことですが「どこそこから難民で来ました〇〇です…」と言えば入国可となるわけです。
しかも、そのうえで彼ら彼女らには、iPhoneと限度額3,000ドル(約30万円)のクレジットカードが渡されるという。
そんな不法移民が大量に国内に流入してくるのですから、米国民にしてみればたまったもんではない。
国土安全保障省のウェブサイトをみますと、バイデン氏が就任して以降、この3年間でなんと790万人の不法移民が米国内に流入しています。
メキシコと国境を接するテキサス州などは、堪りかねてバスを使ってニューヨークに不法移民を輸送しているらしい。
それも多いときで週ごとに数千人規模がニューヨーク市に輸送されているというのです。
結果、ニューヨーク市には不法移民が路上を埋め尽くすことになったそうな。
ここでもまた「ニューヨーク市 vs カリフォルニア州」という分断の構図が生まれるわけですね。
経済評論家の三橋貴明先生が提示した「移民政策のトリレンマ」は、実に納得できます。
そのトリレンマとは、①移民受入、②安全な国家、③国民の自由、これら①②③は同時に二つまでしか成立させることができないという法則です。
なるほど、①②③を同時に実現することは不可能です。
自由な移民国家は安全な国家を失うし、安全な移民国家にするためには国民の自由は制限されざるを得ない。
結果、安全で自由な国家を維持したいならば移民を受け入れてはならない、ということになります。
埼玉県川口市では、もともと住んでいる地域住民と移民との間での分断が起き、移民による暴動、交通違反や交通事故、そして不法投棄などが日常茶飯事となっています。
無力な警察に代わり、地域住民は日本人有志による自警団が結成されるという事態にまで発展しています。
日本国内では、日本人女性を公衆トイレに連れ込みレイプしたり、日本人の高齢者男性を跳ねて死亡させ、逃走した事件までもが起きています。
移民のほか、LGBT問題もまた米国を分断する大きな要因になっているようです。
実際、2023年には、反LGBT法案が全米各地で過去最高を上回る500近く提出されるなど、反LGBTの動きが強まっています。
フロリダ州などは、LGBTに関する本を小中学校の図書館から撤去し、同性愛に関する授業を高校まで禁止しました。
ケンタッキー州、テネシー州などでは、女装した男性が公共の場でパフォーマンスを行うことを禁止するなど、多くの州でLGBTに対する規制が相次いでいます。
それに対し、LGBTの権利を推進するカリフォルニア州は、「反LBGT州」という理由で、カリフォルニア州民に合計26州への移動を禁止しています。
すなわち、同じ米国なのに、LGBTをめぐり、まるで州同士が戦争しているかのように、自由に移動さえできないわけです。
移民問題に加え、LGBT問題をめぐっても米国は国民の間で分断が生じており、いつ内戦が起きてもおかしくない状況に陥っているのでございます。
米国で起きている分断は、我が日本国においてもけっして他人事ではありません。