昨日(1月16日)、総理官邸では持ち回り閣議が開かれ、ことしの通常国会は1月26日に召集されることが決定しました。
意外とご存知ない方もおられますが、国会の召集を決定し、召集詔書を公布するのは内閣であって、衆議院や参議院の議長ではありません。
因みに地方議会では、例えば川崎市では、議会を招集し、それを通知するのは市長です。
国会の召集を行うのは「総理大臣」という個人ではなく「内閣」という合議体であることを考えますと、地方自治体の長(首長)の権限がいかに大きいかがわかります。
義務教育課程の「公民」の授業のおさらいになりますが、通常常会は毎年1回、1月中に召集され、この国会において4月1日以降の予算(来年度予算案)や、その予算を執行するのに必要な関連法案(約200法案)などが審議されます。
審議の充実度はさておき、通常国会の会期は国会法で150日間と定められ、一回だけ延長可能となっています。
よくテレビでも放映されておりますように、通常国会の開会式は衆参両院の議員が参議院の議場に集まり、天皇陛下のご臨席を賜り挙行されます。
その際、衆議院議長が両議院を代表して式辞を述べ、天皇陛下からおことばを賜るのが通例となっています。
そして滞りなく開会式が終わると、国務大臣の演説が両議院の本会議で行われて、いよいよ国会がスタートするわけです。
さて、1月26日からはじまる国会を前に、与野党の国対(国会の運営について協議する私的委員会)による攻防が既にはじまっています。
自民党は「召集日(1月26日)に衆議院で岸田総理大臣の施政方針演説などを行いたい…」と提案しているのに対し、立憲民主党は「演説の前に、政治とカネの問題をテーマに予算委員会で集中審議を行え…」と求めています。
立憲民主党の目論見はわかりきっています。
この通常国会を「政治とカネ」国会にすることで自民党の支持率をもっと下げ、その上で衆議院解散総選挙に持ち込みたい、という魂胆です。
こうしたいつもながらの「党利党略」には、多くの国民が辟易としているのではないでしょうか。
むろん、政治とカネについて追及するのは結構なことですが、それよりももっと重要なのは来年度予算案の中身です。
昨日は、持ち回り閣議につづいて定例閣議も開かれ、今国会に提出される「来年度予算案」が修正されています。
修正といっても、予備費の5,000億円が、1兆円(+5,000億円)になっただけですが…
問題なのは、予算総額が前年度予算(令和5年度当初予算)よりも少なくなっていることです。
令和6年度予算(案)= 112.5兆円
令和5年度当初予算 = 114.3兆円
これをメディアは、財務省様のご意向を受けて「2年連続で110兆円を超えているぅ〜」と大げさに報じていますが、一般歳出は前年度よりも5兆円のマイナスなんです。
社会保障関係費以外の歳出も、1.8兆円のマイナス。
物価・賃上げ促進予備費についても、4兆円のマイナス。
おい、おい、おい。
我が国の消費者物価指数は対前年比で3%上昇していますので、少なくとも一般歳出の総計は最低でも3%増やさなければならないはずです。
にも関わらず、岸田内閣は逆に減らそうとしているわけです。
立憲民主党でもどこでもいいですから、そこをちゃんと審議しなければ駄目でしょうに。