川崎市(川崎区日進町)に、「川崎・横浜公害保健センター」という医療施設があります。
医療施設といっても少し特殊で、川崎市と横浜市が認定した公害健康被害者を対象にした専門施設となっています。
当該センターの運営主体は公益財団法人川崎・横浜公害保健センターで、川崎市の一般会計からの繰り入れを受けて運営されています。
具体的な事業としては、①検査・検診事業、②呼吸機能訓練、③呼吸器健康相談事業を実施しています。
さて、当該センターが設置されて以来、地域医療をとりまく環境は大幅に変わっており、当該センターと専門医療機関とのレベルの格差を指摘する専門家もおられます。
なるほど、先日(12月19日)の私の一般質問でも明らかになりましたが、川崎市当局によれば、当該センターでは呼吸器の専門医も常駐しておらず、CTやMRIなどの最先端の機器は整備されていないとのことでした。
当該施設よりも医療水準の高い医療機関が多数あるなか、こうした環境で患者さんに受診させることは、ある意味で患者さんたちが軽んじられていることにならないでしょうか。
もっとレベルの高い医療機関に事業として委託するほうが、患者さんたちのためになるのではないかとの指摘もあります。
例えば、「一旦、当該センターを精算し、責任をもって、それぞれの患者さんをより高度で専門的な医療機関に紹介し斡旋するなどをしてほしい…」との声も聞かれます。
そうすることにより、症状悪化などに対しても入院など迅速に対応できるのではないか、ということです。
施設や医療の水準もさることながら、高額な人件費や設備管理費などを考えれば、多くの高齢者のためにも、より高度な医療機関への委託事業化が望まれるところだと思います。
その点について川崎市当局は、私の質問に対し次のように答弁しています。
「ご指摘のように、専門医療の高度化や地域における広がりを踏まえれば、それらをセンターで実施する必然性はないのではないかというご意見もいただいておりますことから、事業の進め方につきましては、横浜市や法人などの関係者と協議を行いながら、様々な観点から、センターのあり方も含めて総合的に検討を進めてまいりたい…」