働き方改革の正体

働き方改革の正体

来年から時間外労働の上限規制が強化されます。

これにより、医療、介護、建設、運輸などの分野において、深刻な人手不足が発生します。

いわゆる2024年問題です。

とりわけ運輸部門では、既に運転手不足が深刻化しています。

これを受け、なんと政府は、タクシーやトラックを含め「外国人材の活用」を目指すのだという。

きのう(10日)斉藤国交相は記者会見で、外国人労働者の在留資格である「特定技能」の対象にバス運転手を追加することを明らかにしています。

既に、関係省庁との調整を進めているのだとか。

特定技能(Specific skill)とは、2019年から認められた我が国の在留資格で、労働力不足に対応するために設置されたものです。

一定の日本語を話すことができ、一定の技能を習得している外国人であれば、在留資格を得ることができるようになりました。

なるほど、まずは2019年に特定技能の在留資格を認めておき、そして2024年に時間外労働規制を強化する。

詰まるところ当初から、外国人労働者の受け入れ拡大ありき、ってことだったんですね。

このブログでは繰り返し述べていることですが、外国移民を大々的に増やし、働く人の数を増やすことで仕事をこなそうとすると、現場の生産者一人あたり(日本国民一人あたり)の所得は増えません。

それどころか、日本国民は「安い賃金でも働く」外国人労働者たちとの低賃金競争を強いられます。

となれば、当然のことながら、益々もって実質賃金は下がっていくことになります。

すなわち、日本国民のさらなる貧困化です。

何度でも言います。

外国人労働の受け入れ拡大は、働く日本国民に「底辺への競争」を強いるものです。

所得の増えない日本の若者が増えれば、益々もって我が国の婚姻率は低下し、少子化に拍車がかかります。

少子化が進めば進むほどに、また労働力が不足します。

そうすると、さらにまた外国人労働を受け入れる!?

やがて、この日本列島から日本人がいなくなってしまうのかもしれない。

働き方改革とは、働く日本国民に「底辺への競争」を強いるための改革であることに、なぜ気づかないのか。

少子化で人手不足が深刻化するのであれば、まずは官民の力を合わせて生産性向上のための投資を行うべきです。