ドイツの製薬大手バイエルに買収されたモンサント社は、ベトナム戦争で使用された、あの悪名高き“枯葉剤”を製造していた化学メーカーです。
そのモンサント社が製造する除草剤「ラウンドアップ」が、今や遺伝子組換え作物には欠かせない存在となっているのは周知のとおりです。
そして、ラウンドアップの主成分がグリホサートです。
これまでグリホサートについては、「植物のみに有効で人や生態系には安全…」と宣伝されてきましたが、近年、国際学術誌などでも健康被害による多数の論文が発表されており、海外では発がん性などを危惧して禁止、もしくは規制する国々も多くなっています。
なのに、なぜか我が国だけがグリホサートの残留基準値が2017年に大幅に緩和され、使用量も増えています。
多摩区で都市農業を営んでいる私の知人も「ラウンドアップは欠かせないよ…」と言っています。
一方、米国の農作物は大豆の90%以上が、あるいはトウモロコシのほぼ100%が遺伝子組換え作物で、これらの栽培の全てにグリホサートが使用されています。
しかも米国では、小麦については遺伝子組換えでなくとも収穫時に乾燥目的でラウンドアップが散布されています。
これを「ポスト・ハーベスト」と言います。
収穫(ハーベスト)された後(ポスト)に、収穫物である果物や穀物、野菜に散布するので「ポスト・ハーベスト」です。
ポスト・ハーベストの場合、どうしても農薬が作物の表面に付着します。
洗い落としきれないので、作物の皮の中にまで浸透する危険性があります。
2017年に農林水産省が輸入小麦のグリホサート残留分析調査を行ったところ、米国産小麦の検出率は97%、カナダ産小麦の検出率は100%でした。
ご存知のとおり、我が国は小麦の90%以上を輸入に依存しており、その80%以上を米国とカナダから輸入しています。
結果、国内の小麦のほとんどが米国・カナダ産なのです。
そこで私は、一昨日に開催された川崎市議会・決算審査特別委員会(文教委員会)で、本市の学校給食における「小麦」の使用状況について質問しました。
川崎市立の学校給食では、うどん、そうめんについては国産の小麦粉を使用しているものの、パンやパスタ等の小麦製品や調理に使用する小麦粉については、カナダ産や米国産を使用しています。
なぜか?
国産小麦のほうが価格が高いからです。
教育委員会は「国産の供給量が足らないから…」などと言い訳をしていますが、要するに価格が高いから買う気がないだけです。
買う気さえあれば調達可能なはずです。
やはりここでも、行政の緊縮財政(財政収支の縮小均衡)思想がネックになっているわけです。
「おカネよりも、児童・生徒の健康のほうが大事…」という教育次長の答弁を信じたい。
そもそも学校給食では、できるかぎり米飯給食を増やすべきです。
私は以前から米飯給食を増やすよう教育委員会に対し要望しています。
一昨日の答弁によれば、令和元年度には週平均で2.7回実施されていたものが、その後、徐々に実施回数を増やし、令和4年度は週平均で3回になったとのことです。
当局は、引き続き米飯給食の実施回数を増やしていきたいとしています。