今日、岸田首相を議長とする『こども未来戦略会議』において、少子化対策に向けた「こども未来戦略方針」の素案が示されるとのことです。
ただ、その具体的な財源については盛り込まれない。
これまで岸田内閣は少子化対策のための財源について、①医療や介護の歳出抑制、②社会保険料の上乗せ等々により確保するとしてきましたが、具体的にどの程度の財源を確保するかは現段階では示さず、結論は年末まで先送りするらしい。
とにかく首相としては「来年度からの3〜5年間に必要な予算を年間3兆円台半ばとする」と関係閣僚に指示しているようです。
因みに『こども未来戦略会議』の有識者構成員とされるメンバーは次のとおりです。(五十音順)
秋田喜代美(学習院大学文学部教授)
荒木泰臣(全国町村会会長)
遠藤久夫(学習院大学経済学部教授)
奥山千鶴子(NPO法人子育てひろば全国連絡協議会理事長)
権丈善一(慶應義塾大学商学部教授)
小林 健(日本商工会議所会頭)
櫻井彩乃(GENCOURAGE 代表)
清家 篤(日本赤十字社社長/慶應義塾学事顧問)
高橋祥子(株式会社ジーンクエスト取締役ファウンダー)
武田洋子(株式会社三菱総合研究所研究理事)
立谷秀清(全国市長会会長)
十倉雅和(日本経済団体連合会会長)
冨山和彦(株式会社経営共創基盤 IGPI グループ会長)
中野美奈子(フリーアナウンサー)
新浪剛史(サントリーホールディングス株式会社代表取締役社長)
新居日南恵(NPO法人manma創業者・理事)
平井伸治(全国知事会会長)
水島郁子(大阪大学理事・副学長)
芳野友子(日本労働組合総連合会会長)
名簿を拝見すると、間違った教育論を平然と展開している人、あるいは正真正銘の新自由主義者などなど、名前を聞くだけで気分の悪くなる人が何人かおられます。
少なくとも「貨幣とは何か…」について正しく理解されておられるメンバーは、ゼロ人のようです。
貨幣とは何か、という根本的な知識がないのだから、この組織体から正しい財源論が導き出されることは決してあり得ない。
「貨幣のプール論」に陥っている彼ら彼女から導き出される財源論は、詰まるところ「増税」しかないでしょう。
貨幣のプール論とは、貨幣を金貨や銀貨のように、それ自体に価値がある「モノ」であると認識する貨幣観です。
ゆえに、貨幣のプール論に囚われた人たちは「おカネは、どこかから物理的にもってこなければならない…」と考えます。
どこから?
国民の懐から…
いつも言うように、国民の懐にあるおカネ(貨幣)は日本政府が発行したものです。
その日本政府が、どうしてわざわざ国民の懐から貨幣を召し上げ、それを財源としなければならないのか?
この簡単な理屈が、貨幣のプール論者たちにはどうしても理解できないらしい。
何度でも言います。
誤った貨幣観をもつ人たちが跋扈し政策立案に携わるかぎり、我が国において正しい財源論を導き出すことは不可能です。