コロナ補助金なければ7割の病院が赤字

コロナ補助金なければ7割の病院が赤字

日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会の3団体が公表した「医療機関経営状況調査」によりますと、多くの病院が「補助金がなければ赤字経営となる…」状態に陥っているとのことです。

なんと7割超の病院が「コロナ関連等の補助金がなければ病院経営は成り立たない」と回答しています。

病院経営を苦しめている大きな要因の1つが、光熱費の高騰です。

上のグラフのとおり、100床あたりの水道光熱費の平均値は、2021年度から2022年度にかけて4割超の増加となっています。

輸入物価上昇によるコストプッシュ・インフレが病院経営にも襲いかかっているわけです。

さて、そうしたなか、来年度(2024年度)は診療報酬・介護報酬の同時改定が控えています。

ご承知のとおり、診療報酬は2010年以降、下がり続けていますが、いい加減に引き上げないと益々もって経営難に陥る病院が続出してしまうことになりかねない。

国民の生命よりもプライマリー・バランスを重視する財務省としては診療報酬や介護報酬の引き上げに平然と難色を示すでしょうが、ここは厚労省の頑張りどころです。

全般的に診療報酬を引き上げて貰いたいところですが、引き上げ額に限度があるのであれば、せめて最もリソースの足りない療養病床に対する報酬を手厚くしてほしい。

川崎市北部医療圏(多摩区、麻生区、宮前区、高津区)の療養病床の稼働率は95%を越えており、常にフル稼働です。

現場(医療従事者)の皆様の奮闘なくしては、うまく業務が回らない状況にあるのだと思われます。

療養病床の不足は、せっかくその医療圏に住んでいるのに「よその医療圏への転院」を促されてしまう、いわゆる「行き場のない患者問題」を引き起こしています。

これは、今回の川崎市議会議員選挙でも私が繰り返し訴えてきたことです。

とくに高齢化スピードの早い川崎北部医療圏では療養病床の増床は必須です。

このように言うとまた「病床を増やすと、また医療費がぁ~」「だったら財源を示せぇ~」などと健全財政派(収支の縮小均衡派)たちが行く手を阻むことになります。

むろん、財源はあります。

それは増税でもなく、歳出改革でもない。

通貨発行こそが財源です。