ミサイル危機と地震

ミサイル危機と地震

かつてないほどに、北朝鮮によるミサイル発射が頻繁化しています。

先代の金正日時代、その生涯で合計17発のミサイルが発射されていますが、昨今は1日で17発を発射しているほどです。

北朝鮮はウクライナ戦争で苦戦するロシアに武器を売っているらしいから、経済的にもそこそこ羽振りがいいのかもしれない。

それにつけても、ミサイル危機と地震には共通項が多い。

例えば、地震予知が困難であるのと同様にミサイル発射もまた予知が困難であること。

あるいは、ミサイル警報(Jアラート)の発令に理論的技術的な不備があるように、地震津波警報の発令にも同様の理論的技術的な不備があること。

ミサイル防御対策、着弾による被害回復対策に不備があるように、地震防災対策、被害回復対策にも不備があり完璧ではありません。

北朝鮮がミサイル発射するたびに、我が国の政府は「誠に遺憾…」「強く抗議する…」としか言わず、これでは地震が発生したときに「誠に遺憾であり、大地に強く抗議する…」と言っているようなもので何の効き目もありません。

地震国の我が国ですが、多発する地震に対する危機感は慢性化し低下しているように、多発するミサイル発射に対する危機感もまた慢性化し低下しているように思えます。

政府はミサイルについて過度な空想的危機を煽るよりも、防災国債を発行して防災シェルターを、あるいは防衛国債を発行して核シェルター等を整備するなどの現実的な対応をとってほしい。

むろん、これによってミサイル着弾による被害が少しは防げたとしても、首都直下型地震や当南海トラフ級の地震が発生した場合、それによる被害はこれで防げるとは思いませんが…

北朝鮮によるミサイル攻撃の危機がどの程度迫っているのか、多くのメディアがそうであるように想像で危機を語るのはよくない。

確率論で危機を語るのであれば地震も同じことです。

なんなら、降水確率と同じようにミサイルの着弾確率を毎日発表すればいい。

地震のない国の人たちが日本に来れば「地震」がある度に大騒ぎするのでしょうが、地震列島に住む者にとってはよほどの地震でない限り驚かないのと同様に、そのうちミサイル発射に慣れっこになって危機感が麻痺してくるのかもしれません。

とはいえ、米韓への軍事的メッセージとしてミサイル発射を繰り返している北朝鮮が本気で日本本土に攻撃を仕掛けてくる可能性はやはり低いとみるべきなのでしょう。

むろん、いつ仕掛けられても即応対処できるように、オールラウンドな体制を整え訓練を重ねておく必要はあります。

即応対処可能な体制を整え、訓練を重ねることがまた抑止力につながります。

一方、巨大地震の危機は確実に迫っています。

詰まるところ、巨大地震もミサイル着弾も同じ災害の一種と捉え、これを同列に認識して運否天賦と悟りつつ、GDP比2%の基盤的防衛力を整備すること、あるいは食料自給率やエネルギー自給率を粛々と向上させることなど、具体的かつ冷静沈着な策を講じるしかないのだと思います。