参院選 自民圧勝後、消費税を増税か!?

参院選 自民圧勝後、消費税を増税か!?

自民党の茂木幹事長が恐ろしく無知なことを言っています。

「消費税減税は当面の物価高対策には意味をもたない」

何を言っちゃってるのでしょうか。

消費税は「消費」に課された罰則税であり、あまつさえ目下高騰中のガソリン価格においてもガソリン税の上にダブルタックスで消費税が乗っかっています。

これを減税することに効果が無いわけなどなく、意味をもたないわけもないでしょうに。

しかも茂木氏は「消費税を減税しろと野党の先生方はいうが、そうすると年金財源を3割カットしないといけない」などと国民を脅していますが、国民から集められた消費税の全てが社会保障費に充てられているという事実などありません。

むろん、消費税を減税したら年金財源を3割カットしなくてはならない、という根拠もない。

しかしながら、多くの国民がこの種の「嘘」に騙され易いのは事実でしょう。

むしろそのことの方が心配です。

茂木幹事長らに騙されないように、ぜひとも消費税がいかに無慈悲な税制であるかを知ってほしい。

消費税は「支払う消費税対所得比率」が高所得者は小さく、低所得者は大きくなるがゆえに格差拡大型の税制です。

低所得者の方が消費性向(=消費÷所得)が高くなってしまうのですから当然ですね。

また、消費税は経営者にとっては「付加価値税(粗利益に課せられる税)」であるため、人件費抑制の効果をもっています。

実際、企業は正規社員を外注費化すれば、消費税を節税することが可能となります。

つまり、こうです。

企業は正規社員を解雇し、改めて個人事業主として業務委託契約を結ぶ。

その上で仕事をしてもらうと人件費が「外注費」として売上原価に移る。

売上原価に移ることで付加価値(粗利益)が減るため、結果、消費税額が小さくなる。

このようにして消費税が雇用不安定化の一要因であることを茂木幹事長はご理解していないようです。

その上、消費税にはビルトインスタビライザー(埋め込まれた安定化装置)の機能がなく、景気がいかなる状況であろうとも、容赦なく取り立てられる残酷な税制です。

所得税や法人税には、安定化機能が働くために景気が悪化すると税収が減り、景気が良いと税収が増えます。

景気が加熱し過ぎているということは貨幣流通量が過剰になっているということですから、所得税や法人税として貨幣の回収量を増やすことは理にかなっています。

一方、景気が悪いということは貨幣流通量が不足気味なわけですから、税収(貨幣回収量)を減らすことが理にかなっています。

これが埋め込まれた安定化装置、ビルトインスタビライザーです。

ところが、消費税にはこうした安定化装置がない。

景気が悪化しようがしまいが着実に貨幣を回収し、消費を減退させます。

消費税に匹敵する悪税は人頭税しかない、とさえ言われています。

とにかく財務省、及び財務省の犬と化した政治家たちは「税収を増やす」ことと「政府の支出を減らす」ことしか頭になく、彼らにとって消費税ほど美味しい税制はないのでございます。

何しろ、景気がどれだけ悪化しようとも税収が増えるため、PB黒字化にも貢献できます。

その反対側で国民は、なけなしの所得を政府に奪われ続けるのです。

いま行われている参議院選挙(7月10日投開票)が終わると、衆議院が解散されないかぎり、むこう3年間は国政選挙がありません。

ゆえに、もしも自民党がこの選挙を圧勝してしまうと、衆参両院で絶対数を有する安定政権になります。

選挙後すぐに消費税を増税するのではないか、という憶測も飛び交っています。

詰まるところ、岸田総理も茂木幹事長も、そして多くの国会議員たちが「正しい貨幣観」を持ち合わせていないのです。