ロシアによるウクライナ侵攻から今日で21日目を迎えました。
日本のメディア(特にワイドショー番組)はロシアが殊のほか劣勢に立っているかのように報じていますが、ロシアの侵攻は数カ所で進んでいるらしい。
例えばBBCによると、ウクライナは強力な抵抗をみせているものの、ロシア軍は南部で占領地を拡大し続けているとのことです。
安っぽい反戦感情からその事実を認めたくない気持ちもわかりますが、圧倒的な軍事力の差は埋めようがありません。
むろん、一日でも早く停戦協定が締結されることを望みます。
それにつけても、今回の惨劇の責任をプーチン大統領ひとりに押しつける言動が跡を絶ちませんが、仮にプーチン大統領の決断が犯罪的行為だったとして、その行為を半ば故意に誘発した者たちの責任は問われないのでしょうか。
例えば米国は、ロシアによる軍事侵攻に対しハードバワーでコミットメントする覚悟などなかったくせに、冷戦終結時の約束を反故にしてウクライナのNATO化を進めてきました。
現に今も軍事介入していません。
2014年にロシアがクリミアを併合したのも、オバマ政権がウクライナに新米政権を樹立しようと画策したことに対する報復でした。
しかもその画策をオバマ政権の国務次官補として指揮したビクトリア・ヌーランド氏をバイデン大統領は再び国務次官補に就かせています。
そりゃぁ、プーチン大統領だってカチンとくるでしょう。
もしもウクライナがNATO化すれば、ユーラシアの奥地に閉じ込められたロシアの安全保障力は弱体化し、それにより外交交渉力を失ったロシアは衰退の一途をたどることになります。
仮にプーチン大統領でなくとも、ロシアの指導者であれば誰であろうと同様の行動をとったに違いない。
その点、侵攻の理由を与えたのは米国及びNATOです。
今や悲劇のリーダーとしてもてはやされているゼレンスキー大統領もしかりで、彼は戦時指導者としての自信もないくせにモスクワとの緊張緩和を模索する努力を怠った。
政敵であるポロシェンコ前大統領を国家反逆罪で起訴することに血眼になり、オルガルヒのリナト・アフメトフと激しく対立し、あるいはロシア系のメディアを締め出すなどしてどうみてもロシアの脅威を軽くみてきた。
その結末が今の事態です。
ひとたび自国内で戦端が開かれれば、当然のことながら犠牲を強いられるのは無辜の国民です。
彼はウクライナが地政学上の重要地域にあるという歴史的宿命に真摯に向き合ってこなかったのではないでしょうか。
為政者には国民を危険に晒さない責任があることは言うまでもなく、その責任を全うできない為政者が被害者づらするようなことはあってはならない。
少なくとも私は、メディアがつくり出す一方的なストーリーだけを鵜呑みにする愚だけは犯したくない。