自国通貨が危機に陥った際に、各国の中央銀行がお互いに助け合うための仕組みとして「通貨スワップ協定」というものがあります。
例えば急激な円安など自国で通貨危機が発生した際、自国通貨の預け入れと引き換えに、協定を結んだ相手国の通貨を予め定めたレートで融通してもらえる協定です。
もしも急激に円が下落した場合、日本の中央銀行はドルで円を買い支えなければなりませんが、そのときに手持ちのドルがなければアウトです。
そんなとき、「日米通貨スワップ協定」を結んでおけば、米国の中央銀行から予め定められたレートで日本銀行はドルを融通してもらえるわけです。
これを「スワップ協定」、あるいは「通貨交換協定」と呼んでいます。
ただ、我が国の場合、平素から充分なる外貨準備(ドル)がある上に、通貨危機に陥ることが滅多にないのでほとんど縁のない協定です。
さて、昨年末(令和3年12月31日)をもって、米韓通貨スワップ協定が期限切れとなり終了しました。
韓国銀行は2020年の新型コロナウイルスの余波でドル需要が高まり為替相場が10年8ヶ月ぶりのドル高水準(ウォン安)になったことを受け、FRB(米国の中央銀行)と600億ドル規模の2国間通貨スワップ契約を締結していました。
スワップ契約期間は実際は2020年9月までの約束でしたが、2回も延期されて昨年末に終了することになっていました。
しかし韓国としては本当はさらにスワップ協定を延長したかったらしいのですが、米国との延長協議が物別れに終わったことからやむを得ず昨年末で終了することになったようです。
それでも韓国は例によって「今回の韓米通貨スワップ契約が終了しても、最近の金融・外国為替市場の状況や、強化された外貨流動性対応能力を考慮すると、国内の外国為替市場に及ぼす影響は大きくない…」と強気の姿勢をみせています。
韓国銀行は「この協定を通じて供給された資金は計198億72000万ドルで、昨年7月に全額返済して以降、現在まで需要がない状況だ」と説明しています。
しかしながら識者によると、実際に米国の利上げがはじまれば資金が再びドルに流れてウォンが暴落する可能性があるとのことです。
ゆえに韓国としては、次に協定を結びたいのは日本らしい。
ご承知のとおりFRBは「米国ではインフレ懸念が高まっており、これに対応するため量的緩和の縮小を2倍に加速する」としています。
また、ことし2022年には最低3回は利上げするシナリオを既に示しています。
基軸通貨国のこうした金融政策の転換は、否が応でも国際金融市場の不安定性を高めることになりますが、韓国さん大丈夫ですか?
この件についてのネットでの反応も、だいぶお厳しいようで…