昨日のブログ冒頭でお示ししたグラフのとおり、1997年以降の日本の実質賃金は驚異的なほどの下落を見せています。
2020年の実質賃金(現金給与総額の年平均)は1997年のピークと比較し、なんと15ポイント超も落ち込んでしまいました。
実質賃金の低下が国内の購買力を縮小させ、デフレ長期化の一因になっていることは周知のとおりです。
そしてデフレであるがゆえに実質賃金がひたすら下がり続けるという、まさに悪循環に陥っているわけです。
なお、実質賃金を引き下げている要因の一つが、移民の受け入れです。
移民の受け入れは、ネイティブな国民と外国人労働者との「賃金切り下げ競争」を激化させ、実質賃金をマイナスへと導きます。
上のグラフのとおり、安倍政権が発足した2012年以降の移民の受け入れ具合は実に凄まじいものがありました。
さて、日本国民の多くは実質賃金ベースで所得、人件費が上昇することを望んでいるものと思われますが、この世にはそれを望まない勢力が存在しているのをご存でしょうか。
その勢力とは、むろんグローバリストと称される企業家、投資家、金融産業などです。
日本企業に投資しているグローバリストが望むのは、ただただ自らの利益最大化のみです。
グローバリストの立場からすれば、企業の配当金や自社株買いの原資たる利益を圧迫する人件費の上昇などは全くもって許されないことなのでございます。
人件費が上がり、企業の利益が減ると自分たちが損をするわけですから。
要するに、グローバリストたちにとって、移民の受け入れは大きな利益なのです。
ゆえに経団連もまた「移民受け入れ」を推奨しています。
ただ、問題はグローバリストが利益最大化を求めていることそのものではなく、政治家たちが一部のグローバリストの影響で、日本国民の貧困化をもたらす政策ばかりを採用していることです。
先日、岸田政権が発表した「税制大綱2022」でも「賃金の引き上げ」が謳われていますが、まずは移民の流入を止めることのほうが先決だと思います。
なぜなら、今の日本の政治(政策)には移民を受け入れるのではなく、深刻化する人手不足を生産性向上のための投資で埋めることこそが求められているからです。
生産性の向上こそが実質賃金の上昇をもたらすがゆえに、人手不足を生産性向上のための投資で解消しようと考えたとき、はじめて経済成長が実現できるのです。
少子高齢化に端を発する生産年齢(15~64歳)人口比率の低下によって人手不足が深刻化していく我が国は、まさに「生産性向上=経済成長」の絶好の機会を得ようとしています。
その絶好の機会をぶっ潰しているのが移民の受け入れです。
日本政府は主として4つのルートで移民の受け入れを拡大しています。
①外国人技能実習制度の拡大、②国家戦略特区、③高度外国人材の受け入れ拡大、④外国人留学生の就労です。
いまは新型コロナ問題により渡航が制限されていますが、例えば難民認定の偽装申請によって日本国内で外国人労働者として働く者も少なくありません。
とくに外国人労働者(事実上の)の実数が多いのが、技能実習生と留学生です。
例えば技能実習2号などは、期限に上限がなく、家族の帯同も許されています。
これを「移民」と言わずして何と言うのでしょうか。