その国の総人口に占める65歳以上人口の比率のことを「高齢化率」と言います。
あるいは「高齢者人口比率」とも言う。
世界銀行の統計調査によれば、我が国の高齢化率は28.4%で世界ダントツです。(2020年時点)
次いで世界第2位はイタリアの23.3%、第3位はポルトガルの22.8%となります。
一方、日本の高齢化率(2015年時点)を都道府県別でみた場合、都市部に比べて地方のほうが高い。
もっとも高齢化率が高いのは秋田県(33.8%)で、次いで高知県(32.9%)、島根県(32.5%)、山口県(32.1%)、徳島県(31.0%)となります。
ただ、高齢化率ではなく、今後の「高齢化スピード」でそれぞれの地域をランキングした場合、だいぶ様相が変わります。
例えば、将来推計人口により、2045年の75歳人口比率を2015年のそれで割った数字を高齢化スピードと仮定すると、私の住む川崎市多摩区は「2.1」となります。
実は、この数値が「1.5」を超えた地域では、将来的な医療需要が医療の供給能力をはるかに上回り、やがて多くの「行き場のない患者」を発生させる可能性が高いとされています。
今でも川崎北部は「療養病棟入院の自己完結率」が44.8%にまで落ち込んでおり、なんと患者さんの二人にひとりは、よその医療圏に行かなければ受け入れてもらえない状況になっています。
自己完結率とは、その医療圏に住む患者さんがその医療圏にある病院に入院できる比率のことです。
上のグラフのとおり、川崎南部医療圏の「療養病床入院の自己完結率」は38.02%となっており、もっと酷い。
高齢化スピードが「2.1」という川崎市多摩区では着実に「行き場のない患者さん」で溢れることになります。
といって、これはなにも高齢者だけを対象にした話ではありません。
ところてん方式によって、当然のことながら若い人たちの入院先をも制約することになるのは必定です。
ゆえに私は、これからの地域医療を考えた場合、病床配置を機動的に再編できる公的権限の強化が必要だと考えています。
むろん、高齢化スピードの早い地域においては、医療インフラ拡充のための投資が必要であることは言うに及ばず、です。
さて、高齢化スピードが「1.5」を超える地域は全国で150に及び、とりわけ神奈川県、埼玉県、沖縄県に集中しています。
以下、ランキングを掲載します。
1 埼玉県吉見町 2.9
2 埼玉県鳩山町 2.8
3 神奈川県愛川町 2.7
4 横浜市青葉区 2.6
5 沖縄県西原町 2.6
6 埼玉県川島町 2.5
7 埼玉県ときがわ町 2.5
8 埼玉県鶴ヶ島市 2.5
9 埼玉県越生町 2.5
10 埼玉県松伏町 2.5
11 川崎市宮前区 2.4
12 横浜市都筑区 2.4
13 神奈川県中井町 2.4
14 埼玉県毛呂山町 2.3
15 埼玉県小川町 2.3
16 埼玉県神川町 2.3
17 埼玉県杉戸町 2.3
18 埼玉県北本町 2.3
19 埼玉県入間市 2.3
20 埼玉県東秩父村 2.3
21 埼玉県狭山市 2.3
22 沖縄県北大東村 2.3
23 神奈川県秦野市 2.3
24 埼玉県飯能市 2.2
25 埼玉県日高市 2.2
26 埼玉県上里市 2.2
27 埼玉県所沢市 2.2
28 埼玉県伊奈町 2.2
29 埼玉県三芳町 2.2
30 神奈川県厚木市 2.2
31 神奈川県相模原市 2.2
32 横浜市金沢市 2.2
33 川崎市多摩区 2.1
34 埼玉県行田市 2.1
35 埼玉県鴻巣市 2.1
36 埼玉県寄居町 2.1
37 横浜市泉区 2.1
38 横浜市緑区 2.1
39 埼玉県春日部市 2.1
40 神奈川県伊勢原市 2.1
41 埼玉県加須市 2.1
42 沖縄県与那国町 2.1
43 神奈川県湯河原町 2.1
44 神奈川県座間市 2.1
45 埼玉県幸手市 2.1
46 沖縄県渡名善村 2.1
48 埼玉県草加市 2.1
49 神奈川県平塚市 2.1
50 埼玉県久喜市 2.1
51 沖縄県浦添市 2.0
52 沖縄県豊見城市 2.0
53 神奈川県山北町 2.0
54 埼玉県坂戸市 2.0
55 川崎市高津区 2.0
56 埼玉県小鹿野町 2.0
57 埼玉県長瀞町 2.0
58 川崎市麻生区 2.0
59 神奈川県海老名市 2.0
60 埼玉県戸田市 2.0
61 埼玉県横瀬町 2.0
62 沖縄県座間味村 2.0
63 横浜市港南区 2.0
64 神奈川県二宮町 2.0
65 神奈川県清川村 1.9
66 神奈川県寒川町 1.9
67 埼玉県上尾市 1.9
68 沖縄県北谷町 1.9
69 神奈川県三浦市 1.9
70 横浜市栄区 1.9
71 沖縄県国頭村 1.9
72 神奈川県大井町 1.9
73 さいたま市 1.9
74 横浜市瀬谷区 1.9
75 神奈川県開成町 1.9
76 埼玉県東松山市 1.9
77 埼玉県本庄市 1.9
78 埼玉県白岡市 1.9
79 埼玉県羽生市 1.9
80 埼玉県吉川市 1.9
81 神奈川県南足柄市 1.9
82 埼玉県熊谷市 1.9
83 埼玉県桶川市 1.9
84 横浜市戸塚区 1.9
85 神奈川県真鶴町 1.9
86 神奈川県松田町 1.9
87 神奈川県藤沢市 1.9
88 沖縄県伊江村 1.9
89 埼玉県八潮市 1.9
90 神奈川県大和市 1.9
91 埼玉県深谷市 1.9
92 沖縄県名護市 1.8
93 沖縄県糸満市 1.8
94 埼玉県宮代町 1.8
95 埼玉県朝霞市 1.8
96 埼玉県美里町 1.8
97 横浜市港北区 1.8
98 神奈川県大磯町 1.8
99 沖縄県北中城村 1.8
100 沖縄県沖縄市 1.8
101 埼玉県蓮田市 1.8
102 埼玉県和光市 1.8
103 神奈川県小田原市 1.8
104 沖縄県うるま市 1.8
105 神奈川県綾瀬市 1.8
106 沖縄県読谷村 1.8
107 沖縄県与那原町 1.8
108 沖縄県石垣市 1.8
109 沖縄県久米島町 1.8
110 埼玉県越谷市 1.8
111 沖縄県宜野湾市 1.8
112 沖縄県本部町 1.8
113 横浜市旭区 1.8
114 沖縄県南風原町 1.8
115 埼玉県富士見市 1.8
116 神奈川県茅ヶ崎市 1.8
117 埼玉県新座市 1.7
118 埼玉県三郷市 1.7
119 横浜市保土ヶ谷区 1.7
120 沖縄県中城村 1.7
121 横浜市神奈川区 1.7
122 埼玉県川越市 1.7
123 埼玉県滑川町 1.7
124 埼玉県志木市 1.7
125 神奈川県葉山町 1.7
126 埼玉県皆野町 1.7
127 沖縄県那覇市 1.7
128 横浜市中区 1.7
129 沖縄県大宜味村 1.7
130 神奈川県横須賀市 1.7
131 沖縄県宮古島市 1.6
132 川崎市中原区 1.6
133 埼玉県川口市 1.6
134 沖縄県今帰仁村 1.6
135 沖縄県八重瀬町 1.6
136 沖縄県東村 1.6
137 沖縄県伊平屋村 1.6
138 横浜市磯子区 1.6
139 埼玉県ふじみ野市 1.6
140 埼玉県秩父市 1.6
141 神奈川県逗子市 1.6
142 沖縄県恩納村 1.6
143 横浜市鶴見区 1.5
144 川崎市幸区 1.5
145 神奈川県鎌倉市 1.5
146 沖縄県宜野座村 1.5
147 沖縄県嘉手納町 1.5
148 埼玉県蕨市 1.5
149 沖縄県多良間村 1.5
150 横浜市南区 1.45
※高齢化スピードは、国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計を活用して算出。