世の中には、割り算の概念をどうしても理解できない人たちが少なからずおられます。

市議会議員をしていると、まさにそのことが世間一般に科学的根拠に基づく正確な情報が伝達され難い要因となっていることを痛感します。

過日、BBCが「米国のアーカンソー州で新型コロナウイルス感染による死亡者が増えている」というニュースを報道していました。

アーカンソー州の中でも、とりわけバクスター郡はワクチン接種が米国でも特に低い地域であるらしく、この地域にある病院『バクスター地域医療センター』ではワクチン未接種者の重症者でベッドが埋め尽くされています。

エイサン・ハッチンソン州知事が、居並ぶワクチン反対派を前にして「ワクチンの接種率向上の必要性」を訴える姿が実に印象的でしたが、この地域ではワクチン未接種者の81％が「自分は絶対に受けない」と決意しているらしい。

一方、説得を試みる州知事に対して「ワクチンを接種した人も病気になっているじゃないか…、だから自分は絶対に接種しないっ」と州知事に詰め寄る女性市民の姿もまた印象的でした。

さて、この種の人たちが言っている「ワクチンを受けた人も病気になっているじゃないか。だから私は絶対い接種しない…」という理論に説得力はあるのでしょうか。

米国疾病予防管理センター（CDC）によれば、ワクチン接種を終えた米国人のうち、検査で新型コロナウイルス陽性（感染ではない）と判明したのは、わずか1000人に1人です。

米国では、既に1億6100万人が接種を完了しており、接種後に感染した人、もしくは死亡した人はそのうち6000人です。

要するに、ワクチンを接種した米国人10万人のうち、たった3人ということになります。

しかも、65歳未満なら10万人に1人です。

10万分の1って、何％ですか？

0.00001％

このパーセンテージを大きいとみるか、小さいとみるか。