新型コロナとの戦いにおいては、ワクチン接種による集団免疫の獲得こそパンデミック終息にむけた「最終防衛ライン」と考えます。
ワクチン接種業務の責任主体である地方自治体は、急ピッチでその体制を整えつつあります。
とはいえ、ご承知のとおり我が国の接種スピードは発展途上国並みであり、なんとジンバブエよりも遅い。
このままだと、65歳以上の高齢者がワクチン接種を終えるのでさえ、おそらくお盆を過ぎることでしょう。
変異株が猛威を振るう前に、ワクチン接種によって集団免疫が獲得されることを強く望んでいましたが、今となっては時すでに遅しです。
筑波大学の研究によれば「秋頃には変異株が広がることから、感染拡大の抑止をワクチンだけに頼らず、ほかの感染拡大防止策との併用が重要である」とのことです。
要するに「ワクチン接種と同時に、引き続き飲食店の時短要請などが必要だ」と。
ウイルスは流行していく過程で、宿主である細胞内で少しずつ遺伝子情報が変異します。
この変異したウイルスを変異株と言うわけですが、変異に伴う性質の変化から感染しやすくなったりするケースもあるとのことです。
あるいは従来種よりも重篤化しやすい可能性のある変異株が世界各地で報告されており、専門家の中には「変異株は人から人への感染力が高いかもしれない」という懸念もあります。
厚労省は新型コロナウイルスのゲノムを解析し変異の状況を監視していますが、今回のコロナウイルスは約2週間に1箇所程度の速度で変異しているとのことです。
ウイルスのライフサイクルは早い。
私たち人類は平均すると約20〜30年ごとに新世代の人類を誕生させていきますが、微生物は数分から数時間で新世代の株を誕生させます。
ワクチン接種により獲得した免疫が、変異株への感染を防げない可能性が指摘されています。
ゆえに、変異株が広がっていく可能性が高まっていることをもってワクチン接種の必要性を軽んじる意見もありますが、素人ながら私はそうは思いません。
むしろ、ワクチン接種の重要性が高まっているのではないでしょうか。
ウイルスは人間の細胞を宿にし、そこで変異します。
であるならば、ワクチン接種の普及によって変異そのもを抑制していくことになるのではないでしょうか。
むろん素人の推察です。