大丈夫か、市立多摩病院

大丈夫か、市立多摩病院

きのう川崎市議会(予算審査特別委員会)で、市立多摩病院で発生していた医療事故について質問しました。

川崎市内には3つの市立病院がありますが、その中の一つ市立多摩病院は聖マリアンナ医科大が「指定管理者」となって運営されています。(市立川崎病院、市立井田病院は直営)

その市立多摩病院では、今から8年前の平成29年1月19日、臨床工学技士が別の患者に使うための人工透析用薬を70代の男性患者に誤って投与してしまい死亡させた、という医療事故がありました。

ところが、この医療事故が明るみになったのは、つい最近の先月2月28日の報道によってです。

なぜか今頃になって(事故は8年前)、ミスを犯した臨床工学技士が書類送検されたのです。

地元の市議会議員である私も寝耳に水でしたが、川崎市病院局の説明によると「当時、ご遺族からの要望もあり、議会への報告やメディアへの発表は行わなかった」とのことです。

しかしながら、医師法及び医療法は、もしも病院で「予期せぬ死亡」があった場合には、ご遺族の要望云々にかかわらず、法律で定められた所定の機関への報告を義務付けています。

報告するのは病院長です。

病院長ということは、指定管理者である聖マリアンナ医科大が報告の義務を負っているということです。

ところが、聖マリアンナ医科大は医師法に基づく警察への報告はしていたものの、医療法に基づく医療事故調査・支援センターへの報告をしていなかったことが、昨日の私の質問で明らかになりました。

これは明らかな医療法違反です。

驚いたことに、指定管理者(聖マリアンナ医科大)が2016年に作成した患者死亡時の対応マニュアルよると「センターへの報告が必要なのは事件性がないと判断されたケースや異状死の可能性がない場合…」とされるなど、医療法で定められた対応とは異なっていたのです。

因みに、他の二つの市立病院(川崎病院・井田病院)のマニュアルでは、医療法に基づく手続き、医師法に基づく手続きとが、それぞれ別々に作成されているのに対し、なぜか多摩病院(聖マリアンナ医科大)のマニュアルはそれらがゴチャ混ぜになっているのです。

同じ市立病院なのに、どうして多摩病院だけが異なるのか…

ゆえに私は、昨日の議会質問において、指定管理者である聖マリアンナ医科大の責任、及びそれを指導監督すべき本市病院局の責任を問いただしたわけです。

こうした誤ったマニュアルが判明した以上、本件以外にも余罪がある可能性が出てきました。

むろん、病院局長には、そのチェックを確約させました。

なお今回、市立多摩病院のマニュアルの間違いが明らかになったわけですが、だとすれば、本市の宮前区にある聖マリアンナ医科大の本院においても同マニュアルが使用されている可能性があります。

その指摘に対し、本市の地域医療を所管する健康福祉局長も、マリアンナ本院における調査の必要性に言及されておられましたので、その報告を待ちたいと思います。