待っているのは、手取りが減る社会

待っているのは、手取りが減る社会

案の定、案の定、案の定…

国民民主党が求めてきた「控除額の引上げ」は完全に潰されました。

昨年12月の自民、公明、国民民主の幹事長合意は、いったい何だったのか。

結局、自民党と公明党は「手取りを増やしてほしい」という国民の声を一顧だにもせず、ただただ財務省の声に耳を傾け、最もカネのかからない「維新」の提案(高校授業料無償化)に乗っかった格好です。

これにより、来年度予算案は少数与党のもとで修正され成立する見通しとなりました。

高校授業料無償化については、公立・私立を問わず、ことし4月から一律に年間11万8,800円の就学支援金の所得制限を撤廃し、公立高校を実質的に無償化するとしています。

また、私立高校を対象に加算されている就学支援金の上限額の所得制限を来年4月から撤廃し、私立の全国平均の授業料である45万7,000円に引き上げるという。

その財源は、石破によると約1,000億円らしい。

要するに自公は、国会(衆議院)で予算案を通すにあたり、国民民主党が主張する「控除額引上げ」を受け入れると数兆円も財政支出が増えるが、維新の主張する「高校授業料無償化」だったら1,000億円程度の財政支出で済む、と判断したわけです。

残念ながら、そこには教育論も政策論もない。

ただあるのは財源論のみです。

現に、維新が主張する高校授業料無償化案は「増税付き」であることを忘れてはなりません。

もしもこのまま「自公維」体制が続けば、待ち受けるのは手取りが増える社会ではなく、益々もって手取りが減る社会です。

何度でも言います。

税は財源確保の手段ではありません。

その反対に、むしろ政府支出の財源を消滅させるための手段です。

国会議員たちがこれを理解できないのは、資本主義における信用創造機能の仕組みを理解していないからです。

そして、ぜひとも多くの国民に理解してもらいたいのは、「政府債務は完済せずともよい!」ということです。

現に今でも、国債の償還期限が来たら、政府は新規に国債を発行して同額の国債償還を行っています。

これを「借り換え」といいます。

ほとんどの先進国においても、国家予算に計上する国債費は利払費のみで償還費を含めていません。

含めているのは愚かにも日本だけです。

そもそも主権通貨国は、政府債務を増やすことによって貨幣を創造しています。

なので、いずれの国でも政府債務は膨らみ続けています。(それが普通)

政府債務を減らすために国民の手取りを減らす国が、いかに愚かな国なのかお解り頂けまいか。