農政の失敗は明らか

農政の失敗は明らか

今朝は、全国的に冷え込みが強まっています。

ところによってはマイナス20℃を下回っている地域もあるようで、東京都心部でも0℃台、名古屋では氷点下の冷え込みとなっています。

我が川崎市においても晴れ間は出ているものの、日中の最高気温は10℃に届かず、北風の冷たい厳しい寒さとなりそうです。

報道によると富山県では、きのうからの大雪で外出が難しくなることを見越し、県内のスーパー等で食料品を大量に買い込む人の姿が多く見られたとのことです。

もっか、食料価格が全般的に上昇していますので、豪雪地域で生活をされている皆様の経済的負担も何かと大変かと拝察します。

現在の食料価格上昇を一過性とみている人たちも多いようですが、果たしてそれはどうでしょうか。

私などは既に「食料危機のはじまり」と見ています。

とりわけ私たち日本人の主食たる「お米」は危機的な状況で、地域によっては1キロで5,000円という値がついていますが、そもそも10年後には日本国内で生産できるかどうかも今や怪しくなっています。

お米の値上がり要因は、需要面、流通面、供給面のすべてに起因しています。

需要面では震災後の家庭備蓄の増大、嘘か本当か知りませんがインバウンド需要の増大もあるらしく、流通面では卸商社などの買い占め等が問題となっています。

なにより大きいのは供給面です。

むろん、飼料など輸入資材の高騰のほか、昨年の冷夏といった天候要因もありますが、長きにわたる減反政策により国内生産力を毀損させたことや、政府の農家保護が不充分であったため、そもそも米農家の9割以上は常に赤字で慢性的な担い手不足となってきました。

現在、米農家で従事している方々の平均年齢は68歳です。

それでいて新たな担い手がいない。

巷では「日本の農家は保護されすぎている…」と言う人たちがいますが、現実は異なります。

農業所得に占める直接支払い(財政負担)の割合をみますと、イギリス、フランス、スイスなどは9割を超えており、米国でも小麦農家などは6割を超えているのですが、わが国はわずか15%程度です。

どこが「保護されすぎ…」なのでしょうか。

要するに、作り手がいないなかで減反政策を行ってきたのですから、多少の天候不順でも一瞬にして供給不足となるのは必然です。

このままでは、10年以内に米農家が消滅することは十分に考えられます。

お米が全て輸入依存となれば、アメリカ様の属国である日本は当然のことながらアメリカ産のお米を買わされることになります。

結果、私たち日本人は、ラウンドアップ(グリホサート)漬けの遺伝子組換えのお米を食さねばならなくなるのです。

日本の農政の失敗は、明らかです。

むろん、その根底には、緊縮財政(財政収支均衡主義)があります。