報道によれば、菅政権は3度目の「緊急事態宣言」を発出する方針を固めたようです。
発出期間は4月25日から5月11にまでで、対象地域を東京、大阪、京都、兵庫にするということは、要するに「GWはどこにも行くな」ということなのでしょう。
それにしても、首都圏(一都三県)において東京だけに「緊急事態宣言」が発出されると、神奈川、埼玉、千葉の3県に東京から人が流れてこないか?
なお相変わらず飲食店に対しては「20時までの時短要請」とか「お酒がダメ」みたいに言っていますが、ポイントがずれているような気がします。
問題は「時間」や「商品」ではなく、その店舗がどれだけ換気されているかとか、どれだけ人と人との間隔が確保されているかなどの「より望ましい空間の確保」ではないでしょうか。
それを徹底するための経済的支援を、ぜひ政府には検討してもらいたい。
今後、コロナが終息したとしても、さすがにソーシャルディスタンスは緩和されるのでしょうが、店舗内の換気性については業種を問わず一層強化してほしいとも思います。
さて、3度目となる今回の「緊急事態宣言」は1度目のとき(2020年4月7日に発出)と同様に、今回は百貨店やショッピングセンターなどの小売店、あるいはカラオケボックスやイベント業者等にも休業要請が出されるようですが、上のグラフのとおり1回目の「緊急事態宣言」では民間消費が大きく落ち込みました。
国民に時短や休業を命ずるのであれば、政府としては協力金等、相応の「補償」を行う必要があります。
のみならず、民間最終消費支出の落ち込みを最小限にするためにも補償とは別に財政支出の拡大が必要です。
それに、ポストコロナ時代を見据え、今から各種の「投資」を行っておかねばなりません。
例えば、道路、橋、鉄道、港湾、空港、上下水道、公共交通などのインフラ維持や新規整備、ほか高速ブロードバンド、EV等の発電インフラ等の整備強化、あるいは介護従事者の待遇改善を通じたケアエコノミーの強化、企業や大学に対する研究開発支援、製造業や小規模ビジネスを支援することのほか、各種の労働力開発、そのほか防衛力整備などなど、投資対象は様々にあります。
加えて、地方自治体への財政支援も忘れないでほしい。
これらの財源は、むろん政府の「赤字」です。
といって、①政府の赤字が必ずしも高インフレを招くとは限りませんし、②主権通貨国である日本政府が自らの債務で破綻することはありえず、③仮に国債金利が上昇しても国債の利子率は中央銀行が操作できる政策変数です。
①②③が紛れもない事実であることを、図らずもこの20年間の日本の政治(財政)が証明しています。
政府は速やかに大規模な補正予算を組むべきです。
融資枠や保証枠の拡大みたいな、中身なき水増し経済対策は要らない。
でないとまた、多くの人命が失われます。