きのう、自民党と公明党の両党は、それぞれに税制調査会の総会を開き、来年度(2025年度)の税制改正に向け議論をはじめたとのことです。
自民党の税調会長である宮沢洋一氏が「ことしは自民・公明両党で決めたものが成案になるわけではなく、同時並行で国民民主党を入れた3党協議も進む」と述べられたように、国民民主党と合意した「年収103万円の壁」見直し問題が焦点の1つとなります。
控除上限である103万円の壁を178万円にまで引き上げた場合の財源措置をめぐっては、自公両党ともに頭を悩ませているようです。
べつに悩ませる必要などないのに…
こんなもの、7〜8兆円の国債を発行すればいいだけの話です。
それで何か問題でもあるのでしょうか。
驚くことに、年収の壁を引き上げる代わりに「7〜8兆円の新たな増税」の必要性を説く愚か者までいます。
誰かの黒字は必ず誰かの赤字によってもたらされるわけですから、新たに増税してしまったら年収の壁を引き上げた意味がなくなってしまいます。
国民の所得(黒字)を増やすためには、政府が赤字を増やさなければならないことを、なぜ理解できないのか。
学校では教えてくれないので、多くの政治家たちが理解できないのも致し方ないことなのかもしれませんが、政府の徴税、及び政府の借金返済は、この世から貨幣(おカネ)を消滅させる行為です。
例えば、日本政府、全ての自治体、全ての企業が債務を返済すると、この世から貨幣が消滅します。
貨幣とは、そういうものです。
よって、政府支出を抑制し、税収を増やし、政府債務を減らしていくことを「財政健全化」と定義するならば、まさに「財政健全化」は貨幣の破壊なのでございます。
すなわち、徴税とは政府支出の財源を確保するための手段ではなく、むしろその反対に、政府支出の財源(貨幣)を消滅させるための手段であることを理解してほしい。
ちょっと考えればわかることだと思うのですが、そもそもおカネ(お札=日銀券)を発行している日本政府が、どうして財源確保のために、わざわざ国民の懐からおカネ(お札=日銀券)を回収(徴収)しなければならないのか。
このように言うと、「じゃぁどうして政府は税金を徴収する必要があるの?」という疑問が生まれることでしょう。
その疑問については、MMT(現代貨幣理論)が明確に答えてます。
政府の徴税目的は以下の5つ。
①インフレ率の調整
②景気の調整
③所得格差の調整
④政策誘導
⑤租税貨幣論(日本国内で円が流通している根拠)
ここに「財源の確保」は入りません。
財源は、あくまでも貨幣発行であり、政府は国債の発行を通じて貨幣を発行しています。
するとまた、「そんなことしてたら政府債務は膨らむばかりじゃないかぁ〜」と反駁されそうですが、何度でも言います。
政府の債務返済は、貨幣の消滅です。