きのう、自公与党は国会内でそれぞれ個別に国民民主党と税調会長らの会談を開きました。
結果、いわゆる「103万円の壁」について、来週にも自民、公明、国民民主の税調会長が一堂に会して協議する枠組みを立ち上げることで合意したようです。
昨日のブログでも申し上げましたとおり、我が国には「103万円の壁」以外にも106万円、130万円、150万円、201万円とそれぞれに壁があります。
これらの壁を取っ払い、ネオリベラリズム政策によって破壊された中間所得層を再び分厚くしていく税制に変えていかねばなりません。
そのためにも、まずは「103万円の壁」をぶち壊してその突破口としてもらいたい。
一方、全国知事会の会長を務める宮城県知事の村井嘉浩氏が13日の定例記者会見で、「103万円の壁」問題に言及されたとのことです。
村井知事は「103万円の壁」見直しで地方税収が大幅に減ることに触れつつ、「県や市町村はたちどころに財政破綻する」と懸念を示し、見直しを主張する国民民主党に対して「現状では賛成できない。財源をやりくりする具体的な方策を示すべきだ」と注文をつけたという。
「……」
国民民主党は、ちゃんと財源を示しているだろうに。
そもそも村井知事の言う「財政破綻」とは何を意味しているのでしょうか。
自治体がデフォルトすることですか?
それとも財政再生団体に転落することですか?
こうした手合が未だ全国知事会の会長をやっているのかと思うと誠に残念です。
おそらく彼は「税は財源」という誤った財政観(貨幣観)の持ち主で、しかも「国債発行の原資は国民の預貯金である」と誤解している部類でしょう。
たぶん、国民の預貯金がどのように創造されているのかさえ知らないのではないでしょうか。
教えてやろう。
税は財源でもないし、国債の原資は国民の預貯金でもない。
むしろ、政府の国債発行によって国民の預貯金は増えます。
これは紛うことなき事実です。
ちなみに、銀行預金は民間部門(企業や家計)が銀行からおカネを借りることでも創造されます。
そのとき銀行は、他の預金者のおカネを又貸しするわけではなく、無から預金を創造します。
貸出しの際、むかしは銀行が預金通帳に万年筆で金額を書くだけでしたので、これを「万年筆マネー」と言いました。
現在は銀行が金額をキーボードでたたくだけですから、「キーボード・マネー」と言ったほうがいいかもしれません。
このように説明すると、「いくらでもおカネを発行できる銀行がどうして破綻するんだぁ〜」と言う輩が必ず表れます。
あのですね、「預金」というおカネは銀行にとっては「負債」なんですよ。
負債が超過すれば破綻するに決まっているではないか。
動かしがたい事実として、銀行は「預金」というおカネを、政府は「国債」というおカネを無から創造することで国民経済に貨幣を供給しているのでございます。
これが真実です。
国債という貨幣(財源)を無から創造できる政府が、どうして市町村を破綻に追い込んでまで財源を確保する必要があるのか。
実にバカバカしい。
財源を理由に「103万円の壁」を無くすことに反対することの愚かしさがお解りでしょうか。