まずは「国辱」と呼ぼう

まずは「国辱」と呼ぼう

早いもので、今年もあと2ヶ月足らずです。

既にあの敗戦から79年が過ぎていますが、今なお我が国は実質的に米国様の属国状態にあります。

覇権国である米国様に、ただただ隷属していることが、「政治のリアリズムだ」などと平然と述べる政治家さえいます。

確かに米国は、第二次世界大戦に勝利し、米ソ冷戦をも勝ち抜き、世界に一極秩序を形成することに成功しました。

その米国と歩調を合わせることで国益を得たこともなかったわけではありませんが、その代償もまた大きいものでした。

所詮、奴隷は得るものよりも、失うものの方がはるかに大きい。

一方、米国様の覇権国としての力は衰えつつあり、経済的にも軍事的にもその退潮傾向は明らかですので、大義のない戦争をするたびに国力を喪失しているように思えます。

若い米兵たち約6万名が命を散らしたヴェトナム戦争の際も米国は国家としての自信を大きく喪失しました。

ただ、あの時は冷戦期でもあったことから、米国は対ソ連戦略上、例えばスターウォーズ計画などの大規模投資を行って経済的発展(技術力を含む)を成し遂げ、最終的にソ連を崩壊させ冷戦に勝利することはできました。

しかし、2003年のイラク戦争、あるいは2021年のアフガン撤退により、明らかに米国市民及び国際社会からの信頼が揺らいでいます。

特にアフガンの撤退は酷いものでした。

撤退を決めたバイデン政権は、なんと現地で展開していた米軍から先に引き上げさせたのです。

すなわち、現地に残っていた米国市民、それから米国に協力した10万人ほどのアフガニスタン人(通訳、その家族など)を置き去りにしたのです。

私はその映像を見てびっくりしたのですが、最後の飛行機が離陸する時には、大きなジェット機にアフガンの人々がみんなしがみ付いたまま離陸していました。

そして飛行機が1,000メートルほど上昇すると、しがみついた人々が次々に力尽きて落ちていったのです。

むろん、置き去りにしたアフガンの人々(米軍への協力者)は、皆殺しにされていることでしょう。

ヴェトナム戦争の時も、米国は平然と南ヴェトナムを捨てました。

台湾有事でも平然と台湾を簡単に捨てるかもしれません。

占領政策に洗脳されきった多くの日本国民は、「戦争の際には、きっと米国様が日本を守ってくれるにちがいない」と思っているようですが、そんなわけがない。

米国の国防総省の資料によれば、2000年度に日本が差し出した在日米軍への「負担金額」は50億ドル(当時のレートで約5,000億円強)で、群を抜いて世界で一番でした。

日本に駐留している米兵総数は4万人ですので、単純計算で私たちは駐日米兵1人について年間1,000万円以上支給していることになります。

ご承知のとおり、我が国は長きにわたるネオリベラリズム政策によりデフレ経済が常態化し中産階級は崩壊、国民生活は貧困に喘いでいる中にあります。

それでも米国様への安くないお布施が続くわけです。

一方、北朝鮮と戦争状態にある韓国は、それこそ在韓米軍に国防の重要責任を背負ってもらっているにも関わらず、駐留経費負担は日本の6分の1です。

どれだけ日本が舐められているのかが分かります。

この状態を「国辱」と呼ばないのは、日本人だけです。