本日、11月3日は明治節(明治天皇が生誕された日)です。
戦後、明治節という祝日は占領軍によって廃され、「文化の日」に変えられてしまいました。
今日も皇居の宮殿松の間では、文化勲章の親授式が行われることでしょう。
明治という元号は、五経の一つである『易経』の「聖人南面而聴天下、嚮明而治」に由来しています。
意味は「聖人が北極星のように顔を南に向けてとどまることを知れば、天下は明るい方向に向かって治まる」で、「明に向いて治める」から明治です。
ちなみに、御所をはじめ京都に建てられている神社仏閣がことごとく南に面して建立されているのもこのためです。
京都で正門が東に向かって建てられている旧跡は二条城ぐらいなものです。
城の主人(あるじ)が江戸(東)に居るため、あえてそうしたのでしょう。
栃木県に建てられた日光東照宮は、完全に南に面して建てられています。
関東を照らす大権現、すなわち聖人(家康)が南面して天下を聴き、明に向いて治めてくれているわけです。
お陰様で江戸時代の日本は260年以上ものあいだ平和でした。
さて、一橋大学の教授が日本経済新聞で「財源なきトンデモ社会保障論、正論いわぬ与党にも責任」として、国民民主党が主張している基礎控除額の引き上げを批判しています。
『財源なきトンデモ社会保障論、正論いわぬ与党にも責任
次の国づくり②社会保障 高久玲音・一橋大教授
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA247ZI0U4A021C2000000/
医療経済学を専門とする立場からみて、10月の衆院選は野党が財源の根拠のない数多くの政策を訴えた選挙だった。税収が過去最高なので瞬間的には消費税減税などの負担軽減策もできるだろうが、今後も社会保障費が増えることを考えると持続可能性は全くない。国民民主党は所得税の基礎控除を上げると言っているが、それだけではインフレが加速する。(後略)』
記事を読みますと、「それだけではインフレが加速する…」と言っていますが、インフレとは消費者物価のことを言っているのか、それともGDPデフレーターのことを言っているのか、具体的な率(数字)も期間も示さないのは学者としていかがなものか。
それに国民民主党は「それだけやれ…」とも言っていないだろうに。
「正論いわぬ与党にも責任」と言うけれど、この教授、おそらく貨幣観が間違っています。
「税収が過去最高だから瞬間的に消費税減税もあり得る」などと言っているあたり、基本的に租税財源論です。
残念ながら公共政策の世界では、正しい貨幣観を持たずに正論が導き出されることはありません。
申し訳ないが、貨幣観を間違えた経済論に期待できるものは何もない。
一度、勇気をもって「税は財源」という蛸壺から出て政策論を再構築してみてはどうか。