実質賃金を引き上げるための具体策

実質賃金を引き上げるための具体策

総選挙が公示され、今日で3日目に入りました。

各党の公約を隅々まで見たわけではありませんが、どこの政党も「実質賃金の引き上げ」を訴えています。

テレビや新聞などのオールドメディアで「実質賃金」が問題視されだすと、それに反応して政治家たちも同じことを言い出すから面白い。

ちなみに、当該ブログではメディアで問題視される遥か以前から取り上げています。

急に実質賃金の問題を言い出している政治家たちは、それ(実質賃金の引き上げ)を訴えた方が「票」になると思っているのでしょう。

それにつけても、自民党の公約にさえ「実質賃金の引き上げ」が謳われているのには苦笑します。

そもそも、これだけ実質賃金が低迷してきたのは、あなたたち自民党政権が行なってきた「構造改革」と「緊縮財政」の結果なんですけど…

その自民党が「実質賃金」についてとやかく言えた義理でもないと思うのですが、案の定、自民党には実質賃金を引き上げるための具体策がない。

実質賃金を引き上げることには誰もが賛成するところですが、その具体策がないのは実に残念です。

というか、多くの自民党候補者が、石破風に言うと「実質賃金とは何なのか…、それが一体何を意味するものなのか…」を理解できていないようです。

例えば、自民党の全ての衆院議員候補者に「実質賃金引き上げのための具体策は何ですか?」という質問をすると、答えられないか、もしくは個々にバラバラの答えが返ってくるのではないでしょうか。

基本的に「実質賃金」を引き上げるには、①生産性を向上させること、②労働分配率を見直すことが必要なのですが、①②ともに時間を要します。

企業の生産性を向上させるには「投資」をさせなければならないので、今のデフレ下ではほぼ不可能。

それに、デフレを脱却するための政府支出の拡大そのもの自体が政治的に難しい。

労働分配率の見直しには「株主資本主義」から「公益資本主義」への大きなパラダイム・チェンジが必要となりますので、こんなものは一朝一夕ではできません。

ところが、一つだけ即効性のある政策(特効薬)があります。

これをやれば必ず実質賃金が短期間で上昇します。

その政策とは、消費税の廃止、もしくは減税です。(国民民主党は、実質賃金が引き上がるまで消費税を減税すべしと主張しています)

消費税を廃止(もしくは減税)すれば、多くの企業が販売価格を引き下げることができますので(消費税は企業の粗利に対する税ですので…)、それだけで実質賃金は上昇します。

現在、政府は電気代やガス代、あるいはガソリン代の補助を行っていますが、残念ながら実質賃金の上昇にはつながっていません。

中には「低所得者向けの給付金」の必要性を主張している候補者もいますが、それを継続的にやり続けるのであればともかく、対象が低所得者(住民税非課税世帯)だけで、しかも単発で終わるのであればほぼ効果なしです。

何度でも言います。

消費税の廃止、もしくは減税こそが、即効的に実質賃金を引き上げる特効薬です。

実質賃金についてまともなことを主張している政党は、今のところ国民民主党だけのようです。

選挙期間中、多くの候補者が街頭で演説をしています。

誰に投票していいのかわからず迷われている有権者は、ぜひとも候補者本人、もしくはそのスタッフに「実質賃金を引き上げる具体策は何ですか?」と質問してみてください。

その返答を、一つの投票基準にされてはいかがでしょうか。