川崎市 大規模接種会場を新たに設置

川崎市 大規模接種会場を新たに設置

報道によれば、日本国内にワクチンは届いているものの、配送及び接種に至ることなく在庫されている量が1000万回分を超えているという。

何日か前に当ブログでも指摘したとおり「やがてワクチン不足は緩和されても、ある時点から打ち手不足が発生する」とした事態が現実味を帯びてきました。

私はその分岐点を6月下旬から7月の上旬と推察していましたが、ポイントは接種の優先順位になろうかと思います。

当然、基礎疾患患者が優先されるべき等の意見もあるところですが、医学的配慮とはべつにまずは年齢ごとに優先順位をつけざるを得ないかもしれません。

なぜなら、接種業務責任主体である各自治体の予約システムにキャパシティの問題があるからです。

川崎市は4月20日に75歳以上の高齢者(約16万人)に接種券を一斉に発送しましたが、ご承知のとおり接種希望者からの予約申し込みが殺到し混乱を生じました。

今後、65〜74歳(約15万人)、次いで65歳未満(約100万人)に対して接種券を発送し予約を受け付けることになりますが、ある程度の優先順位をつけなければ接種以前に予約システムそのものがパンクします。

よく誤解されていますが、15万人を対象にネット受付を行った場合、最大で15万人のアクセスがあるわけではありません。

ひとりの人が家族や友人の協力を得て複数で申し込むために、アクセス数が対象人数の何倍、何十倍にも及ぶケースがあります。

85歳上を接種対象にしたネット予約が、あっという間にダウンしてしまった横浜市などもその一例です。

むろん自治体ごとに接種体制で抱えている課題は異なりますが、いずれにしても年齢別に分けるなど、ある程度の優先順位をつけて接種券を発送することが必要になろうかと思います。

例えば、まずは70〜75歳から、次いで65〜70歳、その次に60歳〜64歳というように、5歳毎に細かく区分けして接種券を発送するのも一案です。

因みに、今後はファイザー社製ワクチン『コミナティ筋注』に加えて、複数のワクチンが承認されていく見込みであることから、やがては誰がどのワクチンを接種するのかなどの交通整理も必要になろうかと思われます。

こうしたなか川崎市は、国からの要請を受けて大規模接種会場を新たに設置することになりました。

場所は、市内中原区の向河原駅前にあるNECルネサンスシティのホールです。
(会場を提供してくださったNECさんに感謝しております)

本市はここで1日に2100回の接種を行う予定です。

東京と大阪に国営で設置される大規模接種会場は自衛隊の協力を得て運営されますが、自衛隊の協力を得ず独力で1日に2000回以上の接種を行うことのできる会場を自治体として設置運営するのは全国で初めてのことです。