石川県に「大雨特別警報」が出ています。
すでに大雨の影響によって1名が死亡し6名の行方不明者がでているとのことですが、輪島では地震の復旧工事をしていた作業員4名との連絡がとれなくなり、このうち1名は安全が確認されたものの、残る3名については確認がとれていないようです。
この後も能登半島には激しい雨が降るとのことですので、土砂災害のほか川の増水や氾濫が懸念されます。
自然の猛威は被災地であっても容赦ない。
能登半島地震が発生してから9ヶ月が過ぎようとしていますが、震災発生から今日に至るまでの岸田政権(自民党政権)の対応は実に酷いものでした。
8月に入って被災地にも猛暑が襲いかかったわけですが、例えば珠洲市などは水道が未だに全面復旧していないという報道もありました。
言うまでもなく、水道は生活インフラの中で最も根源的なインフラです。
水が無いということは、そこで生活するなと言っているに等しい。
珠洲市は能登半島の先端に位置する人口1万人ぐらいの小さな自治体ですので、水道を全面復旧するのにさほどのおカネなどかかりません。
その僅かなカネを渋るのが今の緊縮政府です。
政府こそは、国民にとって最大にして最後の保険機関なのに…
そもそも、これだけ大きな震災であったにもかかわらず、政府は一度も補正予算を組まず、なんと予備費で対応したのですからほんとうに鬼です。
こんなことは前代未聞です。
もちろん、緊縮財政真理教である財務省による差金ですが、なぜ財務省は補正予算ではなく予備費で対応したのかお分かりでしょうか?
補正予算を編成し国会を通すということは、国権の最高機関である国会が予算を執行する省庁に対し「ここまでなら予算を存分に使っていいですよ」と許可を与えるものです。
要するに国会が、国土交通省に対し「道路や上下水道を復旧するために、ここまでおカネを使ってもよろしい」、あるいは農林水産省に対し「農業基盤の回復のために、ここまでおカネを使ってもよろしい」とお墨付きを与えるわけです。
そこに財政当局(財務省)が口を挟む余地はありません。
ところが、これが予備費となると、財政当局(財務省)が「なぜ、そんなところにカネを使うのか!」とか、「もっと安い費用でできるように工夫できないのか!」とか言って介入することが可能に成ります。
それに対して各省庁は、いちいち対応しなければなりません。
だからこそ、災害の際には速やかに補正予算を組むことが望ましいのですが、財政主権を国会(国民)に奪われたくない財務省はできるだけ予備費で対応しようとするわけです。
岸田総理は「被災地に寄り添う」と言っていましたが、彼が寄り添ったのは財務省です。
財務省をなんとかしないかぎり、政府は国民にとって「最大にして最後の保険機関」とは成り得ません。