自民党総裁選挙と立憲民主党代表選挙、与野党の第一党が新たなリーダーを選ぼうとするなか、同党とも各候補者がそれぞれに政策の違いを強調していますが、我が国の総理大臣になるためには、絶対的に理解していなければならない最低条件があります。
その条件とは、むろん「皇統の維持」です。
皇統の維持こそが、我が日本国においては国体の真芯です。
これを理解できないのであれば、例えどんなに優秀な人材であっても日本国においては総理大臣になるべきではありません。
ところが我が国では、占領政策による後遺症もあって「皇統とは何か」を理解している政治家は残念ながら少ない。
皇統以前に、もしかすると「天皇とは何か」さえ理解できていないかもしれず…
史上、世界には数多の王朝が誕生しましたが、皇位継承を男系によって紡いできた王朝を戴いている国は我が日本だけです。
しかも、ご皇室は世界で最も長い歴史を持つ王朝であり、今なお現役で君臨しているところがまた驚異的です。
例えば、現在の英国王室の王系を歴史的に辿っても、12世紀初期(平安時代の末期ごろ)で絶えてしまいます。
断っておきますが、男系継承は女性差別の象徴ではなく、皇族以外の男性を皇室から排除するための知恵です。
つまり我が国においては、三宅だとか小泉だとか姓(苗字)を持つ者は天皇にはなれず、そもそも皇室に入ることもできません。
そのことは、有史以来、一つの王朝が一度も絶えることなく今なお国民統合の象徴として君臨してきた大きな要因でもあります。
もしも皇族以外の男性を排除してこなかったのなら、皇統など続くわけもなく、大陸国家と同様に目まぐるしく王朝が変わっていく国となり戦乱は絶えず、日本民族としての統一性や凝集性も破壊され「国のかたち」は大いに変わり果てていたことでしょう。
そもそも、男系継承が断たれた時点で、もはや「天皇」は天皇ではなくなり、天皇を喪失した日本もまた「日本」ではなくなります。
神話から生まれた王朝が、一度も絶えることなく男系継承で君臨し続けている国こそが日本国です。
因みに、天皇陛下は世界唯一の「Emperor」です。
「King」でもなければ「Queen」でもない。
陛下のお名刺にも「The Emperor of Japan」と書かれています。
ゆえに我が国の天皇は、世界に残された最も古い、そして唯一のEmperor(皇帝)なのでございます。
「皇帝」とは複数の王様を束ねる権力者という意味ですが、複数の王様を束ねているわけではない我が国の天皇が、なぜ国際社会からEmperorとして認められているのでしょうか?
それは、神話から生まれた王朝である皇室が、有史以来一度も絶えることなく男系継承によって皇統を維持しているからです。
国際プロトコールにおいてEmperorは、King、Queen、Presidentよりも国家元首の中で最も格式が高い。
英国王室をはじめ世界各国から、我が国の天皇陛下が異例の厚遇を受けるのはそのためです。
福沢諭吉は言う。
「皇統(男系継承)が続いた日本が凄いのではない。皇統(男系継承)を守り続けてきた日本人が凄いのだ」と。
さて、自民党総裁選挙で男系継承を明確にしているのは、高市氏、茂木氏、加藤氏、小林氏の4人。
小泉氏と林氏は「慎重な議論が必要だ…」みたいなことを言ってお茶を濁し、石破氏はネット番組で「女系継承も選択肢にすべき…」と明言しています。
河野太郎氏は、以前は女系容認派だったと記憶していますが、ここにきて保守層離れを懸念したのか、どうやら宗旨替えしたらしい。
因みに、小泉進次郎氏は「選択的夫婦別姓」を主張されていますので、皇位継承についても女系継承容認派と位置付けるべきでしょう。