日本は公務員の少なすぎる国

日本は公務員の少なすぎる国

大阪維新らに代表されるネオリベラリズム(新自由主義)派は常に「公務員削減」を主張していますが、どうやら彼ら彼女らには「日本の公務員は多すぎる」という誤解があるようです。

誤解であると断定できるのは、人口あたりで比較しても日本の公務員数は国際的にも実に少ないからです。

例えば、中央政府や地方自治体、あるいは政府に関係する企業など公的部門全体の職員数(人口1,000人あたり)でみても、フランスが90人であるのに対し、日本はわずか37人です。

つまり、フランスの4割程度の数で、さらには米国の64人よりも少なく、あのサッチャー改革で公務員削減を断行した英国の三分の一の規模にすぎません。

人事院よれば、2000年には797,553人いた一般職国家公務員の在職者数は、2018年には279,982人にまで削減されています。

それでも大阪維新らは「もっと減らせ」と言う。

ほとんど正気の沙汰とは思えません。

川崎市においても、ピーク時で18,000人以上いた職員数を現在は13,000人規模にまで削減しています。

結果、時代とともに行政需要が高まっていることから職員一人あたりの仕事量は増えつづけ、今やマンパワー不足に陥っています。

ときおり「公務員は楽して税金で食っている」みたいな言いがかりをつける人もおりますが、実態はまったく異なります。

このままだと、予算はついているがマンパワー不足で予算が執行できない、という事態さえ想定されます。

現に、国は令和2年度(2020年度)に73兆円の補正予算を組みましたが、30兆円は未執行です。

むろん、健全財政主義の財務省が使わせなかったという側面もありますが、公務員数が足らずに執行できなかった面も否定できません。

地方自治体もしかりです。

コロナ対策で営業を自粛した事業者に支払われる「協力金」についても、都道府県は職員不足から振り込み業務を外注していますが未だに「第二弾」が振り込まれていないケースが多々あります。

予算は確保されているのに職員のマンパワー不足で執行できない、という典型的なケースです。

今後はこうした問題が全国の自治体において顕著になってくるのではないでしょうか。

実態を把握せず、イメージだけで「公務員が多い」と決めつけて、いたずらに職員を削減してきたそのツケを国民が払わされることになります。