8月30日、財務省が来年度予算の概算要求を締め切りました。
概算要求とは、各省庁が希望予算を8月末までに財務省様に要求するものです。
要求総額(一般会計予算)が117兆円を超えたことから、例によって日本経済新聞が「117兆円は過去最大だぁ〜」と嘆いています。
記事の見出しが笑えます。
「デフレ時代、引きずる膨張予算」
相変わらず、お〇〇さんな新聞ですね。
予算の膨張が足らないがゆえに日本経済は依然としてデフレなのだろうに。
昨今、日米の金利差から生じた、為替安に伴うインフレ(コストプッシュ型)もまた、コロナ以降、米国に比べて日本政府の予算膨張が足らなかったゆえの結果です。
IMFやOECDなどの国際機関が公表している統計データが証明しているように、日本ほど政府が歳出を抑制している国はありません。
また、歳出を拡大した国ほど経済が成長していることをも、それらのデータは示しています。
ていうか、データが証明しなくても、政府がカネを使えば、それがそのままGDP(需要)になるのですから、政府の支出が増えればGDPが増える(経済が成長する)のは当然です。
むろん、政府支出が生活保護費などの所得移転系の給付であったとしても、そのすべてが貯蓄に回るわけではないでしょうし。
むしろ生活保護世帯のほうがエンゲル係数や消費性向は高く(だからこそ、消費税は悪税なのですが…)、生活保護世帯の支出もまたGDPになります。
因みに上のグラフのとおり、川崎市の行政支出と市内GDPの成長率をみますと、これまたほぼ完璧に相関します。
すなわち、川崎市役所がおカネを使うほどに、市内GDPと税収は増えるわけです。
残念ながら、市長や市議会議員のほとんどがそのことを理解していません。
それにつけても、上記の「デフレ時代、引きずる膨張予算」という日本経済新聞の見出しは意味不明すぎます。
記事を読むと、どうしても日本経済新聞は「デフレ時代を引きずった保護的な予算(政策)、要するにバラマキが過ぎる…」と言いたいらしい。
何度でも言います。
この四半世紀、先進諸国のなかで日本ほど予算のバラマキが少ない国はない。
だからこそ、日本だけが未だにデフレ経済の中にあります。
政府の赤字(バラマキ)が足らないことが、実質賃金の低下や日本経済低迷の根本原因なのでございます。