むかし軍部、いま財務省。
我が国を亡国に追い込む官庁と成り果てている財務省は、「PB(基礎的財政収支)黒字化目標」よりも更に厳しい財政規律を導入して、一層の歳出削減を図ろうとしています。
PB黒字化よりも更に厳しい財政規律とは、すなわち「財政収支」の黒字化です。
少し説明が必要となりますが…
国の歳出は、①国債償還費、②利払費、③政策経費等の三つに分類されます。
PB(基礎的財政収支)とは、③の政策経費等を税収等だけで賄うことを目的とした財政規律です。
一方、財政収支は、②+③=税収等、つまり「利払費をも含めて税収だけで賄わねばならない」というものです。
そうすることで、「国民や政治家の皆さん、もっと歳出を減らさないと日本は財政破綻してしまいますよぅ〜」とできるわけです。
利払費が嵩めば嵩むほどに、財務省としては厳しい歳出削減圧力をかけることが可能になることから、財務省は日銀に対して「利上げ」を要求してきたものと推察いたします。
「これからは金利のある世界なんです」と言いたいわけです。
財務省の御用新聞『日本経済新聞社』によると、財務省は来年度予算案の概算要求において、利払費の計算に使う想定金利を2.1%にするとのこと。
今年度(令和6年度)予算の利払費の想定金利は1.9%でしたが、そこから更に引き上げるとのことです。
むろん、財務省は「日銀の政策修正により長期金利が上昇傾向にあるから…」として、日銀の利上げをその根拠にしています。
ただ、日銀が政策金利を引き上げたからといって、長期金利が必ずしも上昇するとはかぎりません。
デフレ経済が続く中では、企業の資金需要は高まらないのですから。
加えて政府が緊縮財政するのですから、余計にデフレ化するでしょうし。
ちなみに、日本経済がデフレに突入した1998年以降、政府の利払費が9兆円を超えたことはほとんどなく、近年は概ね7兆円程度で推移しています。
例年、財務省は利払費を高めに設定して予算を組んできたのですが、残念ながら決算では下回ってしまう。
だからこそ日銀に利上げを求めた、とも言えます。
いずれにしても私たち日本国民は、財務省や御用新聞による「これからは利払費が大変なんですよぅ〜」という財政破綻プロパガンダに騙されてはいけません。
冒頭のグラフをご覧のとおり、日本政府の純利払費(支払い利子と受取り利子の差額)、すなわちネットの利払費(対GDP費)は、主要国の中でも最も低いほうの部類なのでございます。