今日は、8月17日。
79年前のこの日、すなわち玉音放送が行われた8月15日の二日後、鈴木貫太郎内閣は総辞職し、新たに東久邇宮内閣が組閣されました。
占領軍を迎え入れねばならない日本政府は、どのような占領がはじまるのか検討もつかない状況にあったため慌てふためきます。
東久邇宮内閣の閣僚のひとりに元総理大臣の近衛文麿がいたのですが、私はこの男を許せない。
真珠湾とミッドウェーで無能ぶりを発揮した南雲忠一と同じくらいに嫌いな男です。
その近衛文麿が閣僚として最初に提案し実行されたのが、なんと日本の女性を占領軍(米兵)に差し出すことでした。
上陸してくる米兵が日本中で暴れまわる恐れがあることを理由に、近衛は「日本各地に占領軍専用の慰安所をつくろう」と言い出したのです。
近衛の言い分は「日本人女子の純血を守るためだ…」とのことですが、笑わせるな。
戦前戦中は「日本男児」だの、「鬼畜米英」だの、「一億玉砕」だのと権力の中枢で威勢のいいことを言っていた男たちが戦争に負けて真っ先に行ったことがそれかっ!
この種のクズ男たちが日本を戦争に導き、戦争遂行を指導していたのかと思うと怒りがこみ上げてきます。
そもそもシナ事変をはじめたのは近衛内閣でしたし、対米和平交渉に失敗したのも基本的には近衛内閣です。
GHQの第一陣が厚木に到着した8月22日、日本政府は近衛の発案どおりに各地の商業店や宿泊施設の社長らを集めて慰安所協会を設立しました。
それが、特殊慰安施設協会、いわゆるRAA(Recreation Amusement Association)です。
レクリエーションとか、アミューズメントとか、ふざけた名前をつけているところが実に腹立たしい。
性の防波堤とされた女性たちのほとんどが、あの戦争により夫や家族を失い、生きていくに糧のない二十歳前後の女性たちでした。
ちなみに、百貨店で有名な松坂屋もRAA施設だったのをご存知でしょうか。
銀座6丁目に『GINZA SIX』という商業施設がありますが、あそこはもともと松坂屋銀座店だったのはよく知られているところで、松坂屋はその地下で「オアシス・オブ・ギンザ」という占領軍相手の慰安施設を運営していたわけです。
松坂屋のHPで「松坂屋の歴史」をみても、そのことは一切ふれられていません。
結局、RAAは米国の女性団体からの批判などもあり、GHQ(マッカーサー元帥)の指示により廃止されることになりました。
日本の歴史の腐った部分です。