政府の負債は増えて当然!

政府の負債は増えて当然!

8月9日、財務省から6月末現在の『国債及び借入金並びに政府保証債務現在高』が発表されました。

財務省はこれを四半期ごとに発表し、例によって「財政が破綻するぅ〜」キャンペーンを張っています。

ゆえに御用新聞の日本経済新聞社は嬉しそうに次のような記事を書きます。

「国の借金、1311兆円で過去最大 6月末時点
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA099UV0Z00C24A8000000/
財務省は9日、国債と借入金、政府短期証券を合計した「国の借金」が6月末時点で1311兆421億円になったと発表した。3月末から13兆8805億円増え、過去最大となった。(後略)」

お約束どおり「過去最大!」とやる。

しかしながら、自国通貨建てでの国債発行を可能にする資本主義国家にとっての国債発行とは、単なる通貨発行の手段に過ぎない。

とくに、総需要が不足するデフレ経済のなかにある日本においては、通貨発行(国債発行)はむしろ拡大されるべきです。

なぜなら総需要の不足とは、生産されたモノやサービスの購入、すなわち使われるおカネの不足を意味しているからです。

いつも言うように、おカネとは「負債の一形式」なのですから、使われるおカネを増やすためは政府部門、企業部門、家計部門、海外部門のいずれかの経済主体が借金をして何かしらのモノやサービスを購入しなければならない。

因みに、英国の中央銀行であるイングランド銀行が発行した『2014年第1四半期の四半期報告書』にも、次のような記載があります。

「Money today is a form of debt, but a special kind of debt that is accepted as the medium of exchange in the economy.」

私の拙い翻訳によれば、「今日のおカネは負債の一形式で、経済における交換手段として受け入れられている特別な種類の借金である」となります。

すなわち、新たな貨幣は新たな借金によって創出されるのですが、総需要不足のデフレ経済下においては企業や家計などの民間部門にそれを期待することは困難です。

あたり前ですが、民間部門にとって借金とは返済しなければならないものであり、需要の拡大が見込めなければ借りたおカネを返済することができません。

そこで「返済する必要のない借金」である国債を発行し、総需要の不足を埋めることこそが政府の仕事です。

国債発行は将来世代へのツケ、と言っている人は「嘘つき」か、単なる「物知らず」かのいずれかです。

現に、日本政府の国債残高がいくらになろうとも「借り換え」の連続によって会計上は処理されており、税金による返済(残高縮減)などしていません。

なぜなら、返済する必要のない借金だからです。

くどいようですが、政府はただ単に通貨を発行しているだけですから。

財務省及び財務省に洗脳されている緊縮財政派は増税によって国債残高を減らそうとしていますが、当然のことながら増税は政府による貨幣回収であり、残高の縮小は貨幣の消滅となります。

これらはいずれもデフレ促進政策です。

財務省のインチキ・キャンペーンに騙されない国民が一人でも増えることを、ただただ願うばかりです。