去る7月19日に開催された『経済財政諮問会議』で、2024年度の実質成長率の見通しが0.9%に下方修正されました。
ことし1月に閣議決定した2024年度の見通しは1.3%増でしたが、これにより3年連続で日本経済は減速することになります。
2021年度 3.0%
2022年度 1.7%
2023年度 1.0%
2024年度 0.9%
岸田内閣が発足して3年が経とうとしていますが、要するに経済財政政策はまったく成果を上げていません。
物価高対策だけで成長率の底上げなんてできるはずもなく…
そもそも、26カ月連続で実質賃金を引き下げている内閣など前代未聞で、これだけでも十分な退陣理由になるほどです。
政治の目的は「経世済民」にあります。
世を經(おさ)め、民を濟(すく)う、すなわち「国民の安全を守り、国民を豊かにするための政治」です。
具体的には、自然災害や戦争、あるいは外国勢力による国土侵食や主権侵害などから国民を守り、そのうえで国民一人あたりの所得を増やしていくことですが、日本の政治はどれ一つとしてまともに達成していません。
我が国では台風が来るたびに河川は氾濫し、固有の領土であるはずの竹島や北方領土は隣国に強奪されたままで、尖閣諸島では中国の海警局による領海侵犯が日常的になっています。
川口市ではクルド人が暴れまわり、川崎市長などは外国人地方参政権の実現にむけ国に働きかけていくことを検討しています。
経済面においても、27年間にも及ぶデフレ、そして度重なる消費税増税によって、国民経済は疲弊し貧困化するばかりであって経世済民とはほど遠い。
因みに、巷には「人口が減少しているのだから経済成長は減速して当然だ…」と主張する人たちがいますが、人口の増減と経済成長に相関関係はありません。
人口が増えれば必ず経済が成長する、というのなら、アフリカ諸国はとっくの昔に経済大国になっていなければおかしい。
驚異の高度経済成長を成し遂げた時期の日本の人口増加率は、毎年たったの1.1%でした。
ルネッサンス期のイタリアは、人口減のなかで経済成長を成し遂げています。
経済成長とは生産性の向上によってもたらされるのですから当然です。
生産性の向上とは、一人あたりの所得を増やすことにほかならない。
もっとも、デフレとコストプッシュインフレの混在により疲弊している企業が生産性向上の投資に踏み切るのは困難です。
ゆえに、政府こそが需要面と投資面から生産性向上をサポートしなければなりません。
例えば、各企業が長期的かつ安定的に需要が見込めるよう、財政出動を長期プロジェクト(インフラや技術への投資)で実施するのです。
また、各企業の生産性向上の投資を税制面で支援することも必要でしょう。
残念ながら、緊縮至上主義の財務省の言いなりになっている岸田政権にはまったく期待できません。
しかも、次の総理に名前が上がっている人たちのほとんどが、これまた緊縮派ばかりです。
国民は済(すく)われぬままなのか…