皆さんが手にしている一万円札、五千円札、二千円札、千円札、これら紙幣の正式名称は「日本銀行券」です。
日本銀行券は、国の法律によって通用力を与えられた貨幣(法貨)として無制限に通用します。
これら法貨に「日本銀行券」と記してあるのは、それが日銀の負債であり、それを手にする者が債権者であることを示すためです。
つまり、おカネ(紙幣)は、債権と債務の関係を表券するものです。
因みに、1円玉、5円玉、10円玉、100円玉、500円玉は、日銀の負債ではありません。
これらの硬貨は政府(独立行政法人造幣局)が発行する「補助通貨」であり、政府の負債ではなく純資産となります。
実は皆さんが手にする「日本銀行券」以外にも通用するおカネ(日本銀行券)が何種類かあるのをご存知でしょうか?
最初に日本銀行券が発行されたのは1885年(旧十円券)で、それ以来、今日まで合計で53種類の日本銀行券が発行されています。
そのうち31種類は法令によって通用力を失いました。
結果、現在も有効な日本銀行券は、現行券を除くと旧一円券など18種類となります。
明治時代に発行された銀行券が今でも通用するなんて驚きですね。
さて、7月から新しい紙幣が発行されます。
20年ぶりとなる新紙幣の発行を控えるなか、なんと「X」や「TikTok」などの動画で「今の紙幣が使えなくなるぅ〜」といった偽情報が広がっているらしい。
偽情報とは、例えば「新しい紙幣が発行されることで福沢諭吉の一万札は使えなくなるぅ」とか、「タンス預金を半強制的にあぶりだされ国に管理されるぅ」とか、「新紙幣が発行されればやがて預金が封鎖されるぅ」とか言うもの。
これらは紛れもない偽情報です。
しかも、そうした偽情報を利用した詐欺まで横行しているらしい。
「預金封鎖に備え、その対策方法を教えましょう」みたいに言って、暗号資産の購入を勧めるアカウントもあったという。
こうした一連の被害を食い止めるため、財務省は「新紙幣発行の目的は偽造対策の強化、あるいは誰でも利用しやすいユニバーサルデザインを導入しただけであり、けっしてタンス預金のあぶり出しや預金封鎖などを目的としたものではない」とし、詐欺に引っかからないように注意を促しています。
しかしながら、財務省が言うと説得力に欠ける。
そもそも、平素から財務省が「在りもしない財政破綻」を煽ってるから、こうした詐欺が横行するのではないか。
皆さん、福澤諭吉先生の一万円札が使えなくなることはありませんし、日本政府が財政破綻をすることもありません。
詐欺にはもちろん、財務省にも騙されないように注意しましょう。