本日、川崎市議会は本会議を開き、本定例会に提出された諸議案に対する採決が行われます。
また、各議員から提出される意見書案の採決も行われます。
私は、勇気と良識ある無所属議員たちとともに、『公平な税制の観点から宗教法人への税制優遇の見直しを国に求める意見書案』を市議会に提案します。
我が国の税制における租税原則は、まず第一に、様々な状況にある人々が負担能力に応じて分かち合う公平の原則。
第二に、税制ができるだけ個人や企業の経済活動における選択を歪めることがないようにする中立の原則。
第三に、税制の仕組みをできるだけ簡素なものとし、納税者が理解しやすいものとする簡素の原則という、以上3つの原則があります。
こうした原則を前提としつつも、宗教法人については、法人税法上、営利を目的にしていない公益法人等に位置付けられることから、34種類の収益事業を除く法人税のほか、宗教活動に使用するための土地や建物の固定資産税が課税されていないなど、税制面で優遇措置が採られています。
そもそも、公益法人等が非課税である根拠は、公益的な活動が国などの活動を軽減・補助する効果があるとされているからです。
しかしながら、宗教法人は公益法人とは異なって、信者の獲得、信者からの寄附等による財源で行う私的な宗教活動の拡大など、あくまでも自己が掲げる宗教的利益を追求するものであり、公益法人以上に非課税の措置が採られていることの根拠に乏しい。
あるいは、民間人等が不動産を購入する場合には、自己の収益等を財源とし、所得税や法人税が課税された後の資金で購入するわけですが、購入した不動産にも更に固定資産税等が課税されることになり、いわば二重の課税となっています。
一方、宗教法人の場合は、宗教活動に必要なものとされる不動産は、歴史的にみて、時の為政者から無償にて与えられたものや、信者からの寄進などを財源とするもので、不動産収得税等が課税されない場合が多く、さらには、信者、非信者の区別なく一律に徴収する拝観の対価としての拝観料は、信仰に根ざしたものではない事業収入であるにもかかわらず課税されていません。
すなわち、不動産にも固定資産税等が課税されず、拝観料にも課税されないため、いわば二重の意味での非課税措置がとられているわけです。
信教の自由で保護されている宗教法人に対し、さらに税制を優遇することは法の下の平等に反しないか。
ご存知のとおり、宗教法人の中には社会的に多くの不祥事を起こしてきた法人もあり、例えば、旧統一教会のように、税制を優遇された資金等を活用して政治活動や選挙活動等を担うなど、事実上、国政に干渉しているケースも見受けられ、これは当然のことながら政教分離原則に違反するものであり、旧統一教会に関わる問題は、宗教法人への過度で不平等な税制優遇が引き起こしたものとも言えます。
ゆえに宗教法人への課税は一般法人と同様の取扱いとし、適正な課税をする税制に改めることが、我が国の税制改革における喫緊の課題ではないでしょうか。
本日は、以上のような観点から当該意見書案を提案させて頂きますが、但しこの提案は、文化財保護の視点を決して否定するものではありません。
我が国の長い歴史のなかで育まれてきた有形無形の伝統や文化財については、文化財保護の観点から、文化財保護法に基づく公費助成等の充実により、しっかりと保護されるべきであると考えております。
私の提案説明は、おそらく午前11時30分以降になろうかと思います。
因みに、自民党、公明党、立憲民主党、共産党、維新らの既存政党はことごとく反対されるようです。