都内で6カ所の火葬場を運営している東京博善。
桐ケ谷、落合、代々幡、町家、四ツ木、堀之内の6カ所の火葬場で、都内23区のシェアは70%を占めています。
3年前、我が亡父も杉並区の堀之内火葬場でお世話になりました。
その東京博善では6月から火葬料及び葬祭料が3割程度も跳ね上がり、利用者の多くが悲鳴を上げています。
例えば、一般向けグレードの火葬料金は59,000円から90,000円に値上がりしました。
値上がりの話をすると「またコストプッシュ・インフレの話か…」と思われそうですが、むろんそれも理由の一端なのですが、東京博善の値上がりの主因は昨今のコストプッシュ・インフレというよりも、火葬場を運営する東京博善が、なんと中国系資本の傘下に入ってしまったからです。
もともと東京博善は明治時代からの創業で、大正時代には既に複数の火葬場を都内に展開するまでに成長し、4年前の2020年には印刷事業を手掛ける広済堂ホールディングスの完全子会社となりました。
ところが、その後、中国人実業家・羅怡文氏のグループ企業が広済堂ホールディングスの株を徐々に買い占めていき、2022年には40%超の広済堂株を押さえるまでになりました。
これによって東京博善は、中国資本の勢力下に入ってしまったのです。
中国資本が東京博善に目をつけたのもわかります。
我が国では、昭和22年から昭和24年に生まれた、いわゆる「団塊の世代」が後期高齢者となる2025年以降、年間150万人以上が死を迎えることが予測されています。
ピークとなる2040年には168万人にのぼるという試算もあります。
要するに、日本国民の厳かなる死ですらも、彼らにとってはただのビジネス・チャンスに過ぎないということです。
これがグローバリズムです。
仄聞するところによれば、中国国内でも土葬文化から火葬文化へと移行しているらしい。
ゆえに、我が国が持つ最先端の火葬ノウハウを得ようとしているとも言われています。
都内の公営火葬場は2カ所しかありません。
中国資本の傘下に入る前に、どうして東京都が買収しなかったのか。
そもそもネオリベ首長には、そのような発想は皆無なのでしょう。
東京博善の事例は、日本が売られていく一例です。