戦後最悪の総理。
そのように批判されても岸田総理は文句は言えないほどに、日本経済は酷い状況に置かれています。
ついに、実質賃金(現金給与総額)が25カ月連続でマイナスとなりました。
6月5日に厚生労働省から発表された『毎月勤労調査』によれば、4月の実質賃金は対前年同月比でマイナスの0.7%となり、戦後最長の記録を更新してしまったのです。
期待されていた春闘の賃上げ効果は極めて限定的だったのか、マイナス幅を縮小させる程度の影響しかなかったようです。
そりゃぁ、そうでしょう。
春闘による賃上げ対象となったのは、わずか16%の労働組合加盟者ですから。
残り84%の労働者の名目賃金は、物価上昇を上回ることはできなかったわけです。
いつも言うように、実質賃金は名目賃金指数を「持ち家の帰属家賃を除く総合消費者物価指数」で除して計算されます。
よって、実質賃金を決定する要素は、①生産性、②労働分配率、③輸入物価、④消費税の4つになります。
景気悪化と物価上昇が続く中、とりわけ足かせになっているのが「消費税」です。
くりかえしますが、消費税は消費に対する罰則税であり、需要(消費)の拡大を阻害します。
コストプッシュ・インフレ下においては実質賃金の低下圧力にもなります。
よって、実質賃金のマイナスに歯止めをかけるためには、まずは何よりも消費税を廃止することが先決です。
消費税の廃止なら、政府の決断によりてっとり早く実現することが可能です。
ご承知のとおり、6月から再び電気代、ガス代が上がっています。
加えてガソリン代の上昇も見込まれていますので、5月以降も実質賃金が下がり続ける可能性は大です。
もはや「減税」だの、「据え置き」だのと悠長なことを言っていられるときではなく、「消費税は廃止する…」の一択だと思います。
今国会で衆議院の解散は見送られたようですので、9月の自民党総裁選挙まで岸田内閣は続くことでしょう。
となると、30ヶ月連続で実質賃金がマイナスになることもあり得るのか。
いま我が国は、税高くして国亡ぶを地で行っています。