実質賃金、2年連続のマイナス

実質賃金、2年連続のマイナス

きのう(5月23日)、厚労省から物価変動の影響を除いた実質賃金の3月確報が発表されました。

実質賃金の「現金給与総額」は、前年同月比でマイナス2.1%となり、やはり24カ月連続でのマイナスが確定となりました。

また「きまって支給する給与」は前年同月比でマイナス1.5%、こちらは26カ月連続のマイナスです。

なお暦年でみますと、下のグラフのとおり、2023年の「きまって支給する給与」はマイナス2.1%(前年比)となり、2年連続のマイナスです。

企業の賃上げが報道されているものの、コストプッシュによる物価上昇の勢いには到底追いつかず、実質賃金は下がりに下がっています。

グラフをみると顕著ですが、1997年にデフレに突入するまでは実質賃金はマイナスになっていません。

そして2008年のリーマン・ショック、及び2014年と2019年の消費税増税(税率引き上げ)のときの実質賃金の下がりようは決定的です。

リーマン・ショックは外的要因としても、消費税の増税は、少なくとも日本国民が選んだ政治家が断行したことです。

これは私の憶測ですが、2014年と2019年の2度の消費税増税がなければ、それほど財政支出を拡大しなくてもデフレを脱却していた可能性があります。

消費税こそ、百害あって一利なしの税金です。

それに、もしも消費税を廃止することができれば低所得者層のみならず、例えば年金世代に対しても大きな恩恵を及ぼします。

ご承知のとおり、生産年齢人口比率が低下した今日では、年金世代の消費生活は貴重な需要源です。

しかしながら、物価が上昇しているなか年金額はなかなか増えないため、現在の年金受給者は実質年金の下落に苦しんでいるといえます。

消費税を廃止することができれば、年金額が増えずとも年金生活者の皆さんの実質年金は増えるわけです。

消費税は、今すぐにでも廃止されるべきです。

もはや減税などと悠長なことを言っていられる状況ではありません。