イスラム組織ハマスが5月6日にイスラエルとの休戦案に同意した、というニュースが入りました。
ハマス最高指導者のハニヤ氏が交渉仲介国であるエジプトとカタールに同意する旨を伝えたようですが、イスラエルとエジプトが既に先に同意し、どうやらハマス側に提示した案から内容が変わっているらしく、イスラエル側は受け入れに難色を示しているとのことです。
昨年(2024年)10月7日、ハマスがイスラエルの手薄な防衛体制を突いてガザ地区を襲撃してから、ちょうど今日で7カ月が経ちました。
ハマスの攻撃を止められなかったイスラエル国防軍が、圧倒的な武力で反撃し多くのパレスチナ人の命を奪いガザ全体を破壊したのは周知のとおりです。
ネタニヤフ首相は「ハマスの解体」を公約していますが、どうやら軍事力はあってもハマスを殲滅するための具体的な戦略は乏しいようです。
この地域に和平をもたらすには、イスラエルとパレスチナの双方になんとか折り合いをつけてもらわねばならないわけですが、ネタニヤフ首相は「和平なしでもイスラエルは繁栄できる」と公言してはばからない。
残念ながら昨年10月7日の悲惨なテロは、ネタニヤフ首相の言葉にまったく中身がなかったことを証明しています。
あれ以来、ほとんどのユダヤ系イスラエル人は、これ以上の領土委譲はパレスチナ過激派に次なる大虐殺のきっかけを与えることになりかねないという見解を示していると聞く。
また報道によれば、ネタニヤフ首相はすでに多くのイスラエル国民からの信頼を失っているようです。
直近の世論調査では、イスラエル国民の5人に4人は、10月7日のテロを許した失態の最大責任者を彼だとみているようですし、ほぼ4人に3人が彼の辞任を望んでいるとも。
たしかに10月7日のテロは、独立以降のイスラエルにとって最悪の事態で、1948年以降のどの戦争(紛争)よりも長く続いていますので無理もないことです。
しかしながら、日本の岸田首相と同じように、ネタニヤフ首相もまた自身の政治的生存を最優先に考えているようですので、自ら進んで退陣することはないでしょう。
報道ベースでみるかぎり、ネタニヤフ政権下での和平合意はなかなかに難しいように感じます。